Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

May 17, 2013, Pittsburgh--ピッツバーグ大学の研究チームは、ナノスケール合金(アロイ)が発光能力があり、医療応用の可能性が考えられるほどに高輝度であることを実証した。
この研究の主席研究者で化学担当、Jill Millstone助教授によると、ここで実証したアロイは現在知られているものの中で最も高輝度な近赤外光を発する。現在使用されているものと比べて100倍の輝度があると言う。
Journal of the American Chemical Societyに発表した論文の中で同氏は、以前よりも大幅に違う特性を持つアロイを報告している。サイズ、形状、表面化学に依存して近赤外(NIR)光を発するとされている。NIRは、重要な光スペクトラムであり、科学や医療機関の技術には不可欠であると同氏は主張している。同氏は、赤色と緑色の光を比較して、体がどのように可視光を吸収するかを示し、「指は緑色をブロックするが、赤色は同じように吸収されない。このことの意味は、NIRを使うエミッタは細胞を、つまり体の一部を可視化するものであり、侵襲性の少ない診断に有望である」と説明している。　
また同氏は、ナノ粒子アロイの組成が連続的に可変であることを初めて示した。このことは、材料の比率が必要に応じて変えられることを意味する。従来の冶金学研究では、スチール(鋼)などの材料はアプリケーションに合わせて調整できる、例えば航空機の翼、料理用鍋など。
「ナノ粒子は極めて小さいので、構成成分は油や酢のようにすぐに分離する」。論文によると、2つの構成成分の混合状態を保つために有機分子を接着剤として使用している。このアプローチからNIR発光が導かれ、他のタイプのナノ粒子アロイへの道が開かれた。こうしたアロイは、イメージングに有用であるだけでなく、化石燃料を精密化学製品に、産業スケールで変換するための触媒などのアプリケーションに使える。
(詳細は、 www.pitt.edu)