All about Photonics

Home > News > News Details

News Details ニュース詳細

三日月形のメタマテリアルで操作可能な帯域を拡大

May 15, 2013, Stanford--スタンフォード大学の研究チームは、操作可能な光波長の帯域を2倍以上に広げるブロードバンド・メタマテリアルを設計した。
自然の材料は全て正の屈折率を持っている。例えば、空気は標準状態では屈折率は最も低く、1をわずかに上回る。水の屈折率は1.33、ダイアモンドは約2.4。材料の屈折率が高ければ高いほど、光は本来の光路から大きく曲がる。
もし、屈折率が0に近かったり、負であると、極めて興味深い物理現象が生ずる。水の屈折率が負であれば、ガラスのコップに入れたストローは逆に曲がって見える。
自然材料の光学特性は構成原子の化学的性質に依存するが、それとは違ってメタマテリアルの光学特性はナノスケールの単位格子、つまり「人工原子」の配置によって決まる。この単位格子の配置を変えることで、メタマテリアルの屈折率を正、ゼロ近傍、負に調整することができる。
ほとんどの自然の材料は、可視光と赤外光の磁場に左右されない。これまでのメタマテリアルを造るアプローチは、2つの成分で構成される人工原子を造り、1つは電場と、もう1つは磁場と相互作用するものだった。この組み合わせの欠点は、個々の成分が異なる光の波長(色)と相互作用すること、つまりこれらを幅広い波長範囲で重ねることが一般的に困難であることだ。研究グループは、単一のメタマテリアル「原子」の設計を開始した。その特性は、光の電場と磁場の両方と効率的に相互作用するものとなる。
研究グループは、変換光学として知られる複雑な数学を用いて新たな形状に到達。所望の光特性を持つ2D、平面構造からスタートしたが、際限なく広がった(つまり、メタマテリアルに適した「原子」とはならない)。
次に、地図製作者が地図を作る際に地球を平面に変換するように、研究グループは2D無限構造を「折りたたん」で3Dナノスケール物体に変換し、元の光学特性は維持した。
変形された物体は三日月のような形状、先端が細く真ん中が厚い形状になっている。このメタマテリアルは、周期的アレイに整序されたナノクレセント(ナノスケールの三日月)「原子」で構成されている。現在のデザインでは、メタマテリアルは、可視光と近赤外光の約250nmの波長範囲で負の屈折率を示している。研究グループによると、この構造を少し調整するだけでこのメタマテリアルは可視光全域で使えるようになる。
(詳細は、 www.stanford.edu)


製品一覧へ

関連記事

powered by weblio





辞書サイトweblioでLaser Focus World JAPANの記事の用語が検索できます。

TOPへ戻る

Copyright© 2011-2013 e.x.press Co., Ltd. All rights reserved.