All about Photonics

Home > News > News Details

News Details ニュース詳細

リアルタイムでアスベストを検出するレーザベースのシステム

May 14, 2013, Hatfield--アスベストは、丈夫で吸収特性がよく、火や電気、化学損傷に対する耐性が高いため、かつて奇跡の材料と見なされていた。このような特性を持つことから、建物の断熱に広く使用されており、セメントに混ぜたり、消防士の防護服にまで織り込んでいた。
しかし、今ではアスベストに身をさらすことは肺疾患、早期死亡の原因となることが知られている。アスベストは多くの先進工業国では使用禁止材料であるが、古い建物の天井、壁や床にアスベストの脅威は残っている。
ハートフォードシャー大学(University of Hertfordshire)物理学/天文学/数学学部で、新たなアスベスト検出法を開発した研究チームの1人、Paul Kaye教授は、「現在、空中のアスベストをリアルタイム、オンサイトで検出する方法は存在しない。アスベスト繊維をリアルタイム検出する機器は存在するが、アスベストと他の危険性の少ない繊維とを区別することができない。アスベスト繊維を特定するには通常、高価なオフサイトの実験室作業が必要であり、何時間もかかる」とコメントしている。
「アスベスト固有の磁気特性を利用することで、危険なアスベスト繊維をオンサイト、リアルタイムで検出する新しい方法を開発した」。
空中のアスベスト繊維が磁場にさらされると、繊維は磁場で整列する。この整列は、光散乱パタンを解析することで検出することができる。レーザ光を空中の粒子の流れに照射することで光散乱パタンができ、そのパタンは、粒子のタイプ、サイズ、形状に固有のものであり、粒子の指紋(フィンカープリント)と見なせる。磁場の前後で光散乱パタンを計測することで直ちにアスベスト繊維を特定することができる。
研究チームは、UKとスペインの研究パートナーとともに、プロトタイプ機を開発し、様々なアスベスト除去作業現場でフィールドトライアルを行っている。12~18ヶ月後には販売開始となる見込み。研究チームは、この新しい検出機が今後、年間に10万人の死者を減らすと見ている。


製品一覧へ

関連記事

powered by weblio





辞書サイトweblioでLaser Focus World JAPANの記事の用語が検索できます。

TOPへ戻る

Copyright© 2011-2013 e.x.press Co., Ltd. All rights reserved.