Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

May 13, 2013, Chalmers--現在、デザイナーズブランド服と類似品とを区別する方法がない。チャルマーズ工科大学の研究者、Christian Muller氏は固有の光特性を持つ糸を開発した。これは、偏向光でしか見えない不可視パタンを作るのに使用できる。
スウェーデン税関によると、偽造品や海賊版はスウェーデン、EU、世界中で過去数年、爆発的に増えている。この状況は企業、その従業員、それに気づかない消費者に影響を与える。本物のブランド品と偽物を区別するのは難しいことがある。
同大学ポリマ技術の研究者、Christian Muller氏はこの問題に対するソリューションを発見した。ポリエチレン製の部分的に不可視の糸と、可視光を吸収する色素分子を造った。糸は、裸眼には見えないパタンに織り込むことができるが、偏向フィルタを使うと見ることができる。
同氏によると、製造工程自体は複雑ではない。「衣料メーカーは、すぐにもその糸を使って特徴的なパタンを衣類に織り込むことができる。そのパタンを見るのに必要な装置は極めて単純なものであり、例えばスウェーデンの顧客はすでに設置している」。
見えない糸は、いくつかの異なる色素分子や、ナイロンのようないくつかの異なる合成繊維布地を用いて造ることができる。色素分子は、ウールやシルクのような天然繊維にも着けられる。この技術は衣服にも、車や馬車で使用される布地など、高価な特殊織物にも使用できる。
Christian Muller氏は「偽造メーカーがこの特殊な組み合わせをコピーするのは極めて難しい。そのパタンを読み取るのに必要な装置を手に入れて特殊サインの光スペクトラムを確かめることはできるが、その特殊スペクトラムを造り出す要素の組み合わせを知ることはできない。それに、使える異なる色素分子たくさんある」とコメントしている。
同氏の成果は昨年、Applied Physics Lettersに発表された。