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メタマテリアル導波路で広い波長範囲の光を効率的に収集
March 1, 2013, Buffalo--バッファロー大学(UB)の研究チームは、虹(=多波長)を捉える効率的な方法を開発した。これはフォトニクスにおける前進であり、太陽エネルギー、ステルス技術、その他の研究分野の技術的ブレイクスルーにつながる。
UBの電気工学助教授、Qiaoqiang Gan氏の研究チームは、論文「虹を捕まえる双曲型メタマテリアル導波路」をScientific Reportsに発表した。
研究チームは、「双曲型メタマテリアル導波路」を開発した。これは、金属と半導体、インシュレータを交互に重ねた超薄型のフィルムでできた最先端のマイクロチップ。この導波路は、光の個々の周波数を止め、最終的には吸収する、つまり垂直方向でわずかにズレた位置で波長の「虹」を捕らえる。
「電磁吸収材は何年も前から、特に軍事レーダーシステム向けに研究されてきた。今、光学的に厚い半導体やカーボンナノチューブをベースにしたコンパクトな光吸収材が開発されつつある。しかし、吸収帯が可変できる超薄型フィルムで、完璧な吸収材を実現するにはまだ課題がある」とGan氏は言う。
「われわれは、超薄型フィルムを開発している。これは光の速度を遅くすることで吸収効率を大幅に高めるもので、長年の課題に応えられると考えている」(同氏)。
光はフォトンでできており、スピードが極端に速いので制御が難しい。光のスピードを遅くする開発では、研究者は極低温ガスに依存した。しかし、極低温ガスは華氏マイナス240以下となるので、実験室の外では扱いが難しい。
Gan氏は、UBに来る前は、極低温ガスを用いないで光を遅らす方法の開発に取り組んでいた。Lehigh大学の研究チームは、深さが異なる金属表面にナノスケールの溝を形成し、これによって金属の光特性を変えた。この溝は機能したが、限界があった。例えば、入射光のエネルギーは金属面に効率よく移って行けない。「実用化には、これが障害となった」とGan氏は言う。
双曲型メタマテリアル導波路は、その問題を解決した。パタン形成された大面積の薄膜であって、入射光を効率よく集めることができるからだ。これは、周波数面が双曲型のサブ波長特性を持つ人工媒体と言われており、このため幅広い範囲の光を捉えることができる。可視光、近赤外、中赤外、テラヘルツ、マイクロ波を含む広い範囲の波長だ。
この技術は、多くの分野の進歩に貢献すると見られている。例えば、エレクトロニクスでは、クロストークという現象があり、ある回路またはチャネルで伝送される信号が別の回路/チャネルに不要な影響を与える。オンチップ吸収材(アブソーバ)があれば、こうしたことは防げる。
このオンチップアブソーバは、太陽光パネルや他のエネルギー収集デバイスにも適用できる。レーダに発見されないステルス爆撃機にも適用可能になる。
(詳細は、www.buffalo.edu)
UBの電気工学助教授、Qiaoqiang Gan氏の研究チームは、論文「虹を捕まえる双曲型メタマテリアル導波路」をScientific Reportsに発表した。
研究チームは、「双曲型メタマテリアル導波路」を開発した。これは、金属と半導体、インシュレータを交互に重ねた超薄型のフィルムでできた最先端のマイクロチップ。この導波路は、光の個々の周波数を止め、最終的には吸収する、つまり垂直方向でわずかにズレた位置で波長の「虹」を捕らえる。
「電磁吸収材は何年も前から、特に軍事レーダーシステム向けに研究されてきた。今、光学的に厚い半導体やカーボンナノチューブをベースにしたコンパクトな光吸収材が開発されつつある。しかし、吸収帯が可変できる超薄型フィルムで、完璧な吸収材を実現するにはまだ課題がある」とGan氏は言う。
「われわれは、超薄型フィルムを開発している。これは光の速度を遅くすることで吸収効率を大幅に高めるもので、長年の課題に応えられると考えている」(同氏)。
光はフォトンでできており、スピードが極端に速いので制御が難しい。光のスピードを遅くする開発では、研究者は極低温ガスに依存した。しかし、極低温ガスは華氏マイナス240以下となるので、実験室の外では扱いが難しい。
Gan氏は、UBに来る前は、極低温ガスを用いないで光を遅らす方法の開発に取り組んでいた。Lehigh大学の研究チームは、深さが異なる金属表面にナノスケールの溝を形成し、これによって金属の光特性を変えた。この溝は機能したが、限界があった。例えば、入射光のエネルギーは金属面に効率よく移って行けない。「実用化には、これが障害となった」とGan氏は言う。
双曲型メタマテリアル導波路は、その問題を解決した。パタン形成された大面積の薄膜であって、入射光を効率よく集めることができるからだ。これは、周波数面が双曲型のサブ波長特性を持つ人工媒体と言われており、このため幅広い範囲の光を捉えることができる。可視光、近赤外、中赤外、テラヘルツ、マイクロ波を含む広い範囲の波長だ。
この技術は、多くの分野の進歩に貢献すると見られている。例えば、エレクトロニクスでは、クロストークという現象があり、ある回路またはチャネルで伝送される信号が別の回路/チャネルに不要な影響を与える。オンチップ吸収材(アブソーバ)があれば、こうしたことは防げる。
このオンチップアブソーバは、太陽光パネルや他のエネルギー収集デバイスにも適用できる。レーダに発見されないステルス爆撃機にも適用可能になる。
(詳細は、www.buffalo.edu)