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X線顕微鏡で材料内の揺らぎも可視化

February 28, 2013, Munich/Villigen--X線顕微鏡は極めて高品質の照射を必要とする。シャープな像を得るためには、装置や試料は記録中に、例えナノメートルでも絶対に動いてはならない。ミュンヘン工科大学とスイスのポールシェーラ工科大学の研究チームは、この厳しい制限を緩和する方法を開発した。材料の振動さえも可視化できるようになった。
100年以上にわたり、X線写真とは「動くな」ということだった。生体細胞、接着剤の多孔質構造、磁気ディスクのストレージ領域のようなナノ構造を可視化するためには、実験者はX線顕微鏡やサンプルのいかなる振動も避けなければならなかった。さらに、入力X線照射のほんのわずかなパーセンテージしか使えなかった。特殊フィルタを使い、適切な特性、つまり最適の波長のほんの少量を正確に選び出さねばならなかった。
ミュンヘン工科大学のPierre Thibaultとポールシェーラ工科大学の研究者、Andreas Menzelは、振動や揺らぎがあっても高信頼の画像を生成する解釈法を開発した。この方法は、1960年代に電子顕微鏡向けに開発された「タイコグラフィ」技術をベースにしている。研究チームの研究進展によって、異なるタイプのX線波の効果を区別することができるようになった。
この研究の最大の成果は、これまで調べることができなかった、対象物全体にアクセスできるようになったことだ。「顕微鏡の振動を補償できるだけでなく、サンプルそのものの揺らぎさえも評価することができる。個々のスナップショットで見えないほど揺らぎが速くてもサンプルそのものを評価できる」とPierre Thibault氏は言う。
この新しい方法は、高解像度X線顕微鏡の動的状態の評価を結合する。あり得るアプリケーションの1つとして、高密度磁気ストレージ媒体の変化する個々のビットを解析することがある。そのような個々の磁気ビット、あるいは熱振動の相互作用を可視化することができる。
「画像化に使えるだけでなく、われわれの解析法は、他の領域に対する根本的な関係も明らかにする。顕微鏡と量子コンピューティングのような分野は、これまで独立したものと見なされていたが、ここで相互にメリットが得られるようになる」とPierre Thibault氏はコメントしている。
(詳細は、www.tum.de)

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