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EPFL研究者が生きた細胞の3D画像をつくるデバイスを開発

February 19, 2013, Lausanne--EPFL(École Polytechnique Fédérale de Lausanne)の二人の研究者が生きた細胞の3D画像をつくるデバイス開発し、造影剤や蛍光を使うことなく、様々な刺激に対する細胞の反応を調べた。
顕微鏡の世界では、この前進はほぼ写真から生放送のテレビに匹敵する。スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チーム、Yann CotteとFatih Toyは、ホログラフィック顕微鏡とコンピュータイメージ処理を結びつけて生きた生物組織をナノスケールで見るデバイスを設計した。この研究を指揮したのはEPFL工学部マイクロビジョン&マイクロコード診断コードグループ長、Christian Depeursinge氏。
研究チームのセットアップを使うと、生きた細胞の3D像がわずか数分で得られる。分解能は100nm以下。これは造影剤、蛍光を用いることなくできるので、実験結果が異物の存在によって歪められる危険性はない。
このようにあらゆる角度から生きた細胞をとらえることは、未知の分野探求の基礎を築くことになる。「刺激に反応する細胞をリアルタイムで見ることができる。これによって、例えば個々の細胞レベルで薬剤効果を研究することが可能となり、あらゆる種類の新しい機会が開かれる」とCotte氏はコメントしている。
研究チームによるNature Photonicsの論文は、この方法の潜在力を示したもので、成長するニューロン膜やシナプスの誕生を1分に1画像のレートで1時間にわたりとらえている。この研究は、EPFL「脳と心研究所」(Brain Mind Institute)の神経エネルギー学/細胞動力学研究所との協働で行われた。この研究を指揮したPierre Magistretti氏は、「われわれは低強度レーザを使用したので、細胞に対する光や熱の影響は最小である。この技術により、細胞を長い時間にわたり生きたまま観察することができる」と話している。
レーザが様々な角度から試料をスキャンするにともない、ホログラフィによって抽出された多くの画像をデジタルカメラで捉え、コンピュータで組合せ、解析してノイズを除去する。このアルゴリズム開発のために、若手科学者がクリーンルームで「キャリブレーション」システムを設計、構築した。これには、70nmおきに直径70nmの「ナノホール」を空けたアルミ箔を用いた。
組み合わせた、細胞の3D画像はスライスして、その内部の要素、核、遺伝物質、細胞内小器官などを表示することができる。

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