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IBMとダウコーニング、ボードレベルフォトニクス開発で提携

February 12, 2013, San Francisco--ダウコーニング(Dow Corning)とIBM研究者は、新しいタイプのポリマ材料を用いたフォトニクスで大きく前進したと発表した。
この新材料は、スーパーコンピュータやデータセンタで電気の代わりに光を伝送することができる。シリコーンをベースにしたこの新しい材料は、耐久性や柔軟性を含め、物理特性が優れており、ビッグデータや今後のエクサスケールコンピュータ開発向けのアプリケーションに理想的である。
EB(exabytes=1018)の構造化データと非構造化データは年率60%で増え続けており、研究者たちはコンピュータ内の全てのデータをプロセッサからPCBボードに転送するのに必要なエネルギーを劇的に減らすための技術開発を進めてきた。光インタコネクト技術は、現行の電気信号と比べて帯域とパワー効率の点で大きな優位性がある。
IBM研究所フォトニック研究グループ長、Dr. Bert Jan Offreinは、「ポリマ導波路は、光信号を送るための集積手段となる。電気信号の転送と同じように光信号を転送できる」と説明している。「研究グループの設計は、極めて柔軟であり、高温耐性が高く接着性が強いので、妥協することなくこの導波路のデザインを行った」(同氏)。
ダウコーニングと協力してIBMの研究グループは、初めてこの薄いシートタイプの光導波路を作製した。光導波路は、巻き上がることもなく、1mm径で曲げることができ、温度85%、湿度85℃の条件も含め、動作安定性は極めて高い。この新しいポリマは、シリコーンベースの材料であり、現行の電気のPCBボードとの集積に最適化された特性を実現している。また、この材料は今日利用できる通常の製造技術を用いて導波路に作製することができる。
「ダウコーニングの画期的なポリマ導波路シリコーンによって、われわれはロバストでデータリッチなコンピューティングで新しい時代の先端に立てた。特にIBMのような業界のリーダーと協力を続けることによる成果だ」とダウコーニングのエレクトロニック・ソリューションズVP、Eric Peeters氏はコメントしている。同氏によると、ダウコーニングのシリコーンポリマ技術で作製した光導波路により、データ転送が大幅に高速化され、熱もエネルギー消費も下げられる。「シリコーンベースのボードレベルインタコネクトは、今後のスーパーコンピュータで必要とされる膨大なデータ転送で急速に従来の電気信号転送の地位を奪うものと考えている」とPeeters氏はコメントしている。
ダウコーニングの発表によると、導波路シリコーンの損失は0.03dB/㎝。温度安定性は、高湿高温下で2000時間経過、-40℃~120℃の範囲で500熱サイクルに渡り良好なパフォーマンスを維持している。
(詳細は、www.dowcorning.com)

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