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NRL、マルチジャンクション太陽電池を設計

January 23, 2013, Washington--米国海軍研究所(US Naval Research Laboratory)の電子技術と科学部門の研究チームは、インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)とマイクロリンクデバイセズ(MicroLink Devices, Inc)と共同で新しい3重接合太陽電池を提案した。この太陽電池は、現在多重接合(MJ)PV開発の目標になっている、50%という変換効率の壁を破る可能性がある。
「この研究は、現実的に達成可能な、格子整合多重接合太陽電池の新たな設計であり、集中光照射条件下で50%という変換効率を破る可能性がある」とNRLの研究者、Robert Walters(Ph.D.)氏は言う。同氏によると、現在の3重接合太陽電池の世界記録は集中条件下で44%であるが、これ以上の効率達成には大きな技術的ブレイクスルーが必要と考えられている。
MJ太陽電池では、効率を上げるために各ジャンクションが太陽スペクトラムの異なる波長帯にチューニングされている。高いバンドギャップの半導体材料を使用して、短波長照射を吸収し、より長い波長はそれに続く半導体で吸収する。理論的には、無限接合セルであれば最大約87%の変換効率が達成可能となる。課題は、幅広いバンドギャップを持ち、高い結晶品質で成長できる半導体材料システムの開発にある。
新しい半導体材料を探求し、歪均衡量子井戸によるバンド構造工学を適用することで、NRLの研究チームは、InP基板に完全格子整合の材料で直接バンドギャップ0.7~1.8eVが達成可能なMJ太陽電池の設計を実現した。
Walters氏は、「この広いバンドギャップで完全格子整合の材料としたことが、現在の世界記録を破るための決め手になった」とコメントしている。「InPに完全格子整合する材料は約1.4eV、それ以下のバンドギャップが達成可能であることが知られている。しかし、より高いバンドギャップの三元半導体は存在しない」。
この高効率への重要なイノベーションは、高いバンドギャップレイヤとしてInAlAsSb四元が、InP格子整合で成長できることが分かったことだ。ディテクタやレーザアプリケーション向けのSb(アンチモン)ベースの化合物で蓄積した経験からNRL研究者は、InAlAsSbのバンド構造をモデル化し、この材料が直接バンドギャップ1.8eVが達成可能であることを示した。この成果により、照射と非照射の両方の組合せを含むモデルを用いて、研究チームは集中照射条件下で50%を超えるパワー変換効率への可能性を持つ太陽電池を設計した。
(詳細は、www.nrl.navy.mil)

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