Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

January 21, 2013, Manchester/Marseille--マンチェスター大学の研究チームは、体内に存在するドラッグ、毒物の検出、空港セキュリティの大幅向上に貢献するグラフェンを実現した。
Aix-Marseille大学の研究者と協働でマンチェスター大学の研究チームは、簡単な光システムで1分子でも検出することができ、数分でその組成を分析できるデバイスを開発した。これには、プラズモニクスを利用する。
このブレイクスルーにより、微量の物質でさえも検出できるので、プロの運動選手の迅速で、より正確なドラッグテストが可能になる。
また、空港や他の警備の厳重な場所で、テロリストが隠し持っている爆発物発見、麻薬密売人のドラッグ持ち込み阻止にも使える。
グラフェンは、2004年にマンチェスタ大学で初めて分離され、スマートフォンや超ブロードバンドからドラッグデリバリやコンピュータチップまでの多様なアプリケーションに変革をもたらす可能性がある。
グラフェンは、シリコンなど既存の材料を置き換える可能性があるが、マンチェスター大学の研究チームは、グラフェンの本当の役割は、まだ発明されていない新しいデバイスや材料である、と考えている。
Dr. Sasha Grigorenkoの研究チームは、新しいタイプのセンシングデバイス(位相暗部:topological darknessを持つ人工物)を提案している。このデバイスは、比較的小さな1個の分子の付着にも極めて高い反応を示す。この高感度は、光位相のトポロジー的特性に依存している。
そのデバイスをテストするために研究チームは、グラフェンで覆い、続いてグラフェンに水素を供給し、これによってこのデバイスが他のいかなる物質よりも遙かに優れた感度を持つことを明らかにした。
毒物やドラッグの検査は簡単な血液検査ででき、数分で極めて正確な結果が得られる。研究チームによると、このデバイスの感度は現行モデルよりも3桁高い。
(詳細は、www.graphene.manchester.ac.uk)