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ピルサイズのデバイスで迅速に食道内壁の詳細イメージング

January 17, 2013, Boston--マサチューセッツ総合病院(MGH)ウエルマン光医学センタ(Wellman Center for Photomedicine)の研究者は、多種ビタミンカプセルサイズに収めたイメージングシステムを開発した。これにより、食道壁の詳細な顕微像が取得できる。内科医は間もなく、慢性的に胃酸に晒されることによって起こる前癌症状、バレット食道患者の新しい検査方法が利用できるようになる。
同センタ、MGH病理学部Gary Tearney, MD, PhDは、この新しいシステムについて「鎮痛剤も特別な設定も装置も必要とせずにバレット患者を検査できる便利な方法だ。内科医も、内視鏡で行っていたようなトレーニングは不要となる」とコメントしている。「食道内層を3D、顕微構造で示すことで、高解像度の内視鏡で見られる以上に、遙かに詳細な様子が分かる」。同氏は、オンラインNature Medicineに掲載された論文の著者。
Tearney氏の研究チームが開発したシステムは、光周波数ドメインイメージング(OFDI)技術を内包したカプセルを用いる。カプセル内には、近赤外ビームを発し、高速回転するレーザと、食道内層からの反射光を記録するセンサが収められている。カプセルには糸状の線が取り付けられており、イメージング制御器に接続されている。これにより、医師たちはこのシステムをコントロールすることができる。患者がカプセルを飲み込むと、周囲の筋肉の通常の収縮で飲み下される。カプセルが胃の入り口に達したとき、引き上げることができる。カプセルが食道を上下動して通過することでOFDI画像が撮られる。
研究チームは、鎮痛処置をしていない患者13例でこのシステムをテストした。そのうち6人はバレット食道が分かっており、7人は健康なボランティア。同システムを操作した医者は、食道全体を画像化するのに1分もかからなかった。4回の通過―下り2回、引上が2回―とすれば、約6分で完了する。一般的な内視鏡検査では、約30分かかる。OFDIシステムによる詳細な顕微画像は、内視鏡では簡単に見ることができない皮下構造を見ることができ、バレット食道を示す細胞の変化が明瞭に判別できた。これまでに内視鏡を経験したことがあるテスト患者は、この新しい処置の方がよいと支持を表明している。
ハーバード大学医学部病理学教授Tearney氏は、「カプセルが小さいのでデータが沢山取れないのではないかと心配したが、カプセルを飲み込むと食道がしっかりとつかみ取ってくれて、食道壁全体の完全な顕微イメージングが得られた。われわれがこれまでに試した他の方法では食道層に圧力がかり、正確な3D画像が得られなかった。このカプセルデバイスでは、表面構造を一段と詳細に捉えることで重要な治療情報を得ることができる」とコメントしている。
(詳細は、www.massgeneral.org)

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