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MIT、シリコンチップ上に4096エミッタのフェイズドアレイ作製
January 15, 2013, Cambridge--MITの研究チームが記録的な「光フェーズドアレイ」を作製した。光エミッタのアレイを作り、その位相を変える。位相のずれた波が相互に干渉すると、方向によって強め合ったり消滅したりする。結果的に、光源としては動かないが、どんな方向にもビームを出すことができる。これは、レーザ測距器、小型医療イメージング機器、ホログラフィックTV0などに応用できる。
そのような「フェーズドアレイ」は1世紀以上前からあり、通常レーダー送信機で使用されているが、100フィートもの高さがある。しかし、今回MITのエレクトロニクス研究所(RLE)がNatureに発表したものは、1個のシリコンチップ上に4096個のエミッタアレイを描き込んでいる。光ビームを操作できるチップによってアプリケーションの幅が大きく広がり、例えば安価で効率的なレーザ測距器、細い血管に縫うように入っていける医療イメージング機器、見る角度によって違う情報を提供できるホログラフィックテレビなどが考えられる。
MIT電気工学助教授Michael Watts、Watts研究所の大学院生Jie Sun、他の研究グループが2つのチップについて報告している。両方のチップとも、レーザ光を取込み、チップ面に刻み込んだ微小アンテナから再放射する。
光の波は、海の波のように、山と谷の連続と考えることができる。レーザ光はコヒレントで、それを構成する波は位相が揃っている、谷と山は完全に整列している。RLE研究者のチップのアンテナは、そのコヒレント光の位相をわずかにずらし干渉パタンを生成する。
4096アンテナチップ―64×64グリッドアンテナ―では、位相シフトはMITのロゴ画像の列が並ぶように予め計算されている。アンテナは、ロゴをトレースするパタンで単にオンオフするだけではない。アンテナ全てが光を放射し、十分に近づくと差し込む光の規則的配列が見える。しかし、数mm離れてみると、アンテナの位相シフトビームの干渉が、より込み入った画像を生成しているのが分かる。
もう1つのチップ、8×8アンテナグリッドでは、アンテナが創り出す位相シフトはチューナブルであるので、そのチップは光を任意の方向に操作することができる。両方のチップともアンテナの設計は同じ。原理的には、研究チームはチューニングエレメントを大きい方のチップのアンテナにも組み入れることができたが、Watts氏によると「チップから出てくるワイヤが多すぎる。4000のワイヤは、Jieがハンダ付けできるレベルを超えていた」。
とは言え、小さい方のチップでもチューニングエレメントで興味深い干渉パタンが生成できることが実証された。
両方のチップとも、レーザ光は導波路をとおる。信号は減衰するので、信号の損失、もしくはアンテナ設計における変化の計算のいずれかが正しくないと、アンテナから放射される光は変化が大きすぎて使いものにならない。
研究チームによると、両方のチップとも、それぞれクラス最高である。これまでに2Dのチューナブルフェーズドアレイがチップ上に実現されたことはない。過去のノンチューナブル(パッシブ)で最大のものは、わずか16アンテナだった。Watts氏は、「これよりも、一段と大きなアレイもできると考えている。今では、3Dホログラフィックディスプレイ実現の可能性はかなり高い」とコメントしている。
(詳細は、web.mit.edu)
そのような「フェーズドアレイ」は1世紀以上前からあり、通常レーダー送信機で使用されているが、100フィートもの高さがある。しかし、今回MITのエレクトロニクス研究所(RLE)がNatureに発表したものは、1個のシリコンチップ上に4096個のエミッタアレイを描き込んでいる。光ビームを操作できるチップによってアプリケーションの幅が大きく広がり、例えば安価で効率的なレーザ測距器、細い血管に縫うように入っていける医療イメージング機器、見る角度によって違う情報を提供できるホログラフィックテレビなどが考えられる。
MIT電気工学助教授Michael Watts、Watts研究所の大学院生Jie Sun、他の研究グループが2つのチップについて報告している。両方のチップとも、レーザ光を取込み、チップ面に刻み込んだ微小アンテナから再放射する。
光の波は、海の波のように、山と谷の連続と考えることができる。レーザ光はコヒレントで、それを構成する波は位相が揃っている、谷と山は完全に整列している。RLE研究者のチップのアンテナは、そのコヒレント光の位相をわずかにずらし干渉パタンを生成する。
4096アンテナチップ―64×64グリッドアンテナ―では、位相シフトはMITのロゴ画像の列が並ぶように予め計算されている。アンテナは、ロゴをトレースするパタンで単にオンオフするだけではない。アンテナ全てが光を放射し、十分に近づくと差し込む光の規則的配列が見える。しかし、数mm離れてみると、アンテナの位相シフトビームの干渉が、より込み入った画像を生成しているのが分かる。
もう1つのチップ、8×8アンテナグリッドでは、アンテナが創り出す位相シフトはチューナブルであるので、そのチップは光を任意の方向に操作することができる。両方のチップともアンテナの設計は同じ。原理的には、研究チームはチューニングエレメントを大きい方のチップのアンテナにも組み入れることができたが、Watts氏によると「チップから出てくるワイヤが多すぎる。4000のワイヤは、Jieがハンダ付けできるレベルを超えていた」。
とは言え、小さい方のチップでもチューニングエレメントで興味深い干渉パタンが生成できることが実証された。
両方のチップとも、レーザ光は導波路をとおる。信号は減衰するので、信号の損失、もしくはアンテナ設計における変化の計算のいずれかが正しくないと、アンテナから放射される光は変化が大きすぎて使いものにならない。
研究チームによると、両方のチップとも、それぞれクラス最高である。これまでに2Dのチューナブルフェーズドアレイがチップ上に実現されたことはない。過去のノンチューナブル(パッシブ)で最大のものは、わずか16アンテナだった。Watts氏は、「これよりも、一段と大きなアレイもできると考えている。今では、3Dホログラフィックディスプレイ実現の可能性はかなり高い」とコメントしている。
(詳細は、web.mit.edu)