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IBM、シリコンチップでビッグデータに対処

December 28, 2012, San Francisco--IBMは、将来のコンピューティングに向けて情報伝達に電気信号の代わりに光を使う能力を大きく前進させたと発表した。
このブレイクスルー技術は「シリコンナノフォトニクス」。これにより、100nm以下の半導体技術を用いて、1個のシリコンチップ上で光コンポーネントと電気回路を隣接させて集積することが初めて可能になる。
シリコンナノフォトニクスは、通信に光パルスを利用し、サーバ、大規模データセンタ、スーパーコンピュータのコンピュータチップ間で大容量データを高速伝送するスーパーハイウェイを実現する。これによりデータトラフィックの輻輳と、従来の高コストインタコネクトを緩和する。
IBM研究所ディレクタ/シニアVP、Dr. John E. Kellyは、「この技術的ブレイクスルーは、10年以上にわたるIBMの先駆的研究の成果だ。この成果により、われわれはシリコンナノフォトニクス技術を実際の製造環境に持ち込むことができ、幅広いアプリケーションにインパクトを与えることになる」とコメントしている。
新しいアプリケーションやサービスの爆発により、エンタプライズネットワークで創り出され伝送されるデータ量は増え続けている。今、商用展開寸前に来ているシリコンナノフォトニクスにより業界は、増え続けるチップのパフォーマンス要求とコンピューティングパワー要求に歩調を揃えることができる。
ビジネスは新しいコンピューティングの時代に入りつつある。ここでは、ビッグデータとして知られる膨大な情報をリアルタイムで処理、解析することが求められている。シリコンナノフォトニクス技術は、大規模システムの様々なパーツをシームレスに接続することでビッグデータの課題に解を与える技術であり、これらのパーツ間の距離が数㎝でも数kmでも相互にシームレスに接続し、光ファイバを通して光パルスでテラバイトのデータを送ることができる。
2010年の最初の概念実証に基づいてIBMは、シリコンナノフォトニクス技術を商用ファンドリに移行するための主要課題を解決した。数個の工程モジュールをハイパフォーマンス90nm CMOS製造ラインに組み込むことで、波長分割多重器(WDM)、変調器、ディテクタなど様々なシリコンナノフォトニクスコンポーネントをCMOS電気回路と並べて集積することができる。その結果、ワンチップの光通信トランシーバが従来の半導体ファンドリで製造可能になり、従来のアプローチに対して大幅なコストダウンが実現する。
IBMのCMOSナノフォトニクス技術は、チャネルあたり25Gbpsを超えるデータレートのトランシーバを実証している。加えて、この技術はコンパクトなオンチップWDMデバイスを利用して、多数のパラレル光データストリームを1本のファイバで送ることができる。高いデータレートで大規模データストリームを多重できることにより、将来的にはコンピュータシステムの遠く離れたパーツ間でテラバイトデータの光通信に拡張することも可能になっている。

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