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スイッチング機能を持つデュアルコア光ファイバを開発
December 21, 2012, Washington--光ファイバネットワークでは、データは高速に近い速度で伝搬するが、データ処理のためには光ファイバをスイッチ、ルータなど、処理速度の遅い機器に接続する必要がある。こうしたスピードバンプを回避するために、新しいデュアルコア光ファイバが開発された。このファイバでは、わずかな機械的圧力を加えるだけで同等機能が得られる。
この新しいナノメカニカルファイバは、光を伝搬する2つのコアが1μm程度離れて懸架し、これにより情報処理が劇的に高速化し、電子デバイスのセンサとしても機能する。
UK、サザンプトン大学(University of Southampton)のEPSRCセンタ(EPSRC Centre for Innovative Manufacturing in Photonics)副理事、オプトエレクトロニクス研究センタ、研究者、Wei H. Loh氏によると、ナノメカニカル光ファイバは従来の光ファイバのような単なる伝送媒体ではない。「コアの構造は、動的かつ正確な機械的動作ができるように設計されており、この機械的動作はわずかな圧力を与えると可能になる。この構造は、光の基本的な特性を活かして、ファイバに新しい機能、能力を実現するものだ」と説明している。
このイノベーションは、2つのコアを持つファイバを作製することによって得られた。2つのコアは、光結合する程度に接近している。光結合では、光そのものが内部にとどまっていたとしても、フォトンの影響がファイバのコアを超えて拡張される。実験では、コアの1つの位置をわずか数nm動かすだけで、結合効果に対する光の反応を大きく変えることができた。
結合効果が十分に強ければ、光は素早く1つのコアから他方のコアへジャンプする。このファイバの柔軟なサスペンション(懸架)システムはわずかな圧力に簡単に反応し、2つのコアが近づき、あるいは離れる。これにより、信号のコア移動の時間と方法を制御し、実際のファイバ内に光スイッチ機能を初めて実現することができる。
この同じ機能は、光バッファリングも可能にすると研究チームは見ている。「われわれのナノメカニカルファイバ構造で、2つのコアを動かして接近させることでファイバ内の光の伝搬時間をコントロールできる。こうすることで光としてのデータを遅らせたり、バッファリングしたりできる」とLoh氏は言う。バッファは、複数のデータストリームがルータに同時に来たときに重要になる、1つのストリームを遅らせて他方を自由に走らせて先に処理されるようにするためだ。
この新しいファイバの作製には、内壁から懸架した2つのコアを持つ特殊形状のガラスチューブを熱して引く。ファイバは、線引きされても元の構造を維持している。
研究チームによると、ナノメカニカル・デュアルコアファイバが直接製造されたのはこれが初めて。これまでの他の構造のマルチコアファイバは製造されたことはあったが、コアはガラスの中に収まっていて機械的にロックされている。従来の設計では、データのルーティング、スイッチング、バッファリングは光を光ファイバから取りだして電気段で処理してファイバに戻すことを意味しており、これは煩わしくコストもかかる。「われわれの成果を実装すると、ファイババックボーンにこれらの機能をさらに多く統合することができる、ファイバの中にMEMS機能を取り込むことになる」とLoh氏はコメントしている。
この新しいプロセスは、従来の光ファイバ製造技術を利用するので、数100メートル、数km長のデュアルコアファイバの製造が可能になる。
研究チームは、センシングなど他の分野でも、ファイバ内へのMEMS機能導入が期待できると見ている。「ナノメカニカルファイバは、いずれシリコンベースのMEMSチップに取って代わる」とLoh氏は見る。ファイバは圧力に極めて敏感であり、簡単に長尺化ができるので、橋梁、ダム、その他建造物に設置して構造損傷検出に使える。
(詳細は、Optics Express, Vol. 20, Issue 28, pp.またはOFC/NFOEC 2013)
この新しいナノメカニカルファイバは、光を伝搬する2つのコアが1μm程度離れて懸架し、これにより情報処理が劇的に高速化し、電子デバイスのセンサとしても機能する。
UK、サザンプトン大学(University of Southampton)のEPSRCセンタ(EPSRC Centre for Innovative Manufacturing in Photonics)副理事、オプトエレクトロニクス研究センタ、研究者、Wei H. Loh氏によると、ナノメカニカル光ファイバは従来の光ファイバのような単なる伝送媒体ではない。「コアの構造は、動的かつ正確な機械的動作ができるように設計されており、この機械的動作はわずかな圧力を与えると可能になる。この構造は、光の基本的な特性を活かして、ファイバに新しい機能、能力を実現するものだ」と説明している。
このイノベーションは、2つのコアを持つファイバを作製することによって得られた。2つのコアは、光結合する程度に接近している。光結合では、光そのものが内部にとどまっていたとしても、フォトンの影響がファイバのコアを超えて拡張される。実験では、コアの1つの位置をわずか数nm動かすだけで、結合効果に対する光の反応を大きく変えることができた。
結合効果が十分に強ければ、光は素早く1つのコアから他方のコアへジャンプする。このファイバの柔軟なサスペンション(懸架)システムはわずかな圧力に簡単に反応し、2つのコアが近づき、あるいは離れる。これにより、信号のコア移動の時間と方法を制御し、実際のファイバ内に光スイッチ機能を初めて実現することができる。
この同じ機能は、光バッファリングも可能にすると研究チームは見ている。「われわれのナノメカニカルファイバ構造で、2つのコアを動かして接近させることでファイバ内の光の伝搬時間をコントロールできる。こうすることで光としてのデータを遅らせたり、バッファリングしたりできる」とLoh氏は言う。バッファは、複数のデータストリームがルータに同時に来たときに重要になる、1つのストリームを遅らせて他方を自由に走らせて先に処理されるようにするためだ。
この新しいファイバの作製には、内壁から懸架した2つのコアを持つ特殊形状のガラスチューブを熱して引く。ファイバは、線引きされても元の構造を維持している。
研究チームによると、ナノメカニカル・デュアルコアファイバが直接製造されたのはこれが初めて。これまでの他の構造のマルチコアファイバは製造されたことはあったが、コアはガラスの中に収まっていて機械的にロックされている。従来の設計では、データのルーティング、スイッチング、バッファリングは光を光ファイバから取りだして電気段で処理してファイバに戻すことを意味しており、これは煩わしくコストもかかる。「われわれの成果を実装すると、ファイババックボーンにこれらの機能をさらに多く統合することができる、ファイバの中にMEMS機能を取り込むことになる」とLoh氏はコメントしている。
この新しいプロセスは、従来の光ファイバ製造技術を利用するので、数100メートル、数km長のデュアルコアファイバの製造が可能になる。
研究チームは、センシングなど他の分野でも、ファイバ内へのMEMS機能導入が期待できると見ている。「ナノメカニカルファイバは、いずれシリコンベースのMEMSチップに取って代わる」とLoh氏は見る。ファイバは圧力に極めて敏感であり、簡単に長尺化ができるので、橋梁、ダム、その他建造物に設置して構造損傷検出に使える。
(詳細は、Optics Express, Vol. 20, Issue 28, pp.またはOFC/NFOEC 2013)