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ノルウェーのSINTEF、血液サンプル中の個別粒子を計測
December 19, 2012, Trondheim--ノルウェーの研究チームは、血液サンプル中の個々の粒子を計測できる世界初のセンサを開発した。
血液には数100の異なるタンパク質が含まれており、これらから心臓の状態、癌の存在についての情報を得ることができる。
現状では、血液サンプルを提出して「完全検査」してもらっても、血液のパーセンテージ、血糖、感染などわずか5~6の分析指標しか得られない。その他のテスト結果を得るためには、血液サンプルを中央研究所に送る必要がある。
4年前、SINTEFは米国のスタンフォード大学、オスロ大学と共同プロジェクトを開始した。目的は、感度を100万倍改善したセンサを実現して血液中の個別粒子を計測すること。極めて集中度の低いタンパク質、DNA、RNA分子などもこれに含まれる。
センサは、シリコン薄膜でできており、人の髪の毛の300分の1程度。一定のパタンで小さな穴が数100設けられている。SINTEF ICTのIb-Rune Johansen氏は、「この構造をフォトニック結晶と呼んでいる。同じ構造は自然界ではある種の蝶の翅にも見られる」と言う。また、同僚のJon Olav Grepstad、Michal Mielnikの両氏は、「これは最先端のナノテクノロジーを用いた究極のバイオセンサだ」と話している。
この結晶の特徴の1つは、光スペクトラムを増幅できることにある。「血液サンプル中に粒子を探すとき、背後からフォトニック結晶を照射する。こうして薄膜内の光強度を数100倍に増幅する。結晶は光の影響を受けないので、すべての光が反射され、透過する光はない。
「背後から見ると結晶は暗い夜空のように見える。しかし、捉えられた個別粒子は薄膜の穴にトラップされ、光が漏れて、夜空の星のように見える」とJohansen氏は説明している。
現在、医療研究所はタンパク質を検査して、感染があるときに生ずる身体の平衡失調を検出する。新しいセンサは、これを遙かに上回る分析ができる。
SINTEFの研究者は、薄膜の穿孔の個々の壁にレセプタをつけようとしている。血液がポンプされて通過する時、そのレセプタが研究者の目的に応じて極めて特殊な分子をトラップする。
センサ/薄膜には多くの穿孔があるので、幅広い範囲の様々なタンパク質を特定することができる。このため、前立腺癌や卵巣癌などの病気を早期発見できる。
バイオセンサの課題は2つ。まず、このセンサの感度を十分に高めること。次に、狙ったとおりの計測が正確にできること。
センサは、2つの粒子を区別して、特定の粒子だけを選別できなければならない。
SINTEFの研究チームは、センサ感度を従来センサに比べて100万倍改善した。現在、20nmまでの粒子が計測できる。
「診断に関連する多くのタンパク質はこのサイズの範囲にあるが、もっと小さなものも多い。現状では、より大きなタンパク質の個別分子を検出できる。さらに小さなタンパク質分子も検出できるが、個々にではない。つまり、このセンサでは検出するのにより多くのタンパク質分子が必要になる。しかし、長期目標は、最小のタンパク質でも個別分子を検出できるようにセンサを改善することだ」とMichal Mielnik氏はコメントしている。
(詳細は、www.sintef.no)
血液には数100の異なるタンパク質が含まれており、これらから心臓の状態、癌の存在についての情報を得ることができる。
現状では、血液サンプルを提出して「完全検査」してもらっても、血液のパーセンテージ、血糖、感染などわずか5~6の分析指標しか得られない。その他のテスト結果を得るためには、血液サンプルを中央研究所に送る必要がある。
4年前、SINTEFは米国のスタンフォード大学、オスロ大学と共同プロジェクトを開始した。目的は、感度を100万倍改善したセンサを実現して血液中の個別粒子を計測すること。極めて集中度の低いタンパク質、DNA、RNA分子などもこれに含まれる。
センサは、シリコン薄膜でできており、人の髪の毛の300分の1程度。一定のパタンで小さな穴が数100設けられている。SINTEF ICTのIb-Rune Johansen氏は、「この構造をフォトニック結晶と呼んでいる。同じ構造は自然界ではある種の蝶の翅にも見られる」と言う。また、同僚のJon Olav Grepstad、Michal Mielnikの両氏は、「これは最先端のナノテクノロジーを用いた究極のバイオセンサだ」と話している。
この結晶の特徴の1つは、光スペクトラムを増幅できることにある。「血液サンプル中に粒子を探すとき、背後からフォトニック結晶を照射する。こうして薄膜内の光強度を数100倍に増幅する。結晶は光の影響を受けないので、すべての光が反射され、透過する光はない。
「背後から見ると結晶は暗い夜空のように見える。しかし、捉えられた個別粒子は薄膜の穴にトラップされ、光が漏れて、夜空の星のように見える」とJohansen氏は説明している。
現在、医療研究所はタンパク質を検査して、感染があるときに生ずる身体の平衡失調を検出する。新しいセンサは、これを遙かに上回る分析ができる。
SINTEFの研究者は、薄膜の穿孔の個々の壁にレセプタをつけようとしている。血液がポンプされて通過する時、そのレセプタが研究者の目的に応じて極めて特殊な分子をトラップする。
センサ/薄膜には多くの穿孔があるので、幅広い範囲の様々なタンパク質を特定することができる。このため、前立腺癌や卵巣癌などの病気を早期発見できる。
バイオセンサの課題は2つ。まず、このセンサの感度を十分に高めること。次に、狙ったとおりの計測が正確にできること。
センサは、2つの粒子を区別して、特定の粒子だけを選別できなければならない。
SINTEFの研究チームは、センサ感度を従来センサに比べて100万倍改善した。現在、20nmまでの粒子が計測できる。
「診断に関連する多くのタンパク質はこのサイズの範囲にあるが、もっと小さなものも多い。現状では、より大きなタンパク質の個別分子を検出できる。さらに小さなタンパク質分子も検出できるが、個々にではない。つまり、このセンサでは検出するのにより多くのタンパク質分子が必要になる。しかし、長期目標は、最小のタンパク質でも個別分子を検出できるようにセンサを改善することだ」とMichal Mielnik氏はコメントしている。
(詳細は、www.sintef.no)