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ARP、1nm分解能テラヘルツ表面下スキャナ

November 29, 2012, Harrisburg--チップメーカー(ファブ)は、不合格率を下げるという困難な問題に直面している。
ブランクウェハのコストはわずか数百ドルだが、加工済みのウェハの価値は、その最終製品によって数十万ドル、あるいはそれ以上にもなる。工程の終わろうとしているところで不良箇所が1個あるとコストは膨大になる。実際の不良数が増加し、30%にもなるとこの問題は遙かに深刻になる。このため、不良数が最小となるようにコントロールすることがファブ業界の最優先課題となっている。この目的のためにARP(Applied Research & Photonics)は、CWテラヘルツ技術を導入した1nm分解能を持つ非破壊表面下スキャナを発表した。
検査段階で、ウェハの累積欠陥数が所定の限界を超えるとウェハは不良品となる。不良ウェハの数が所定数を超えると、そのロットは不合格とされ、工程検査の情報を出す。続いて、原因と思われる工程を欠陥を生み出す段階で調査する。したがって、検査システムの分解能と精度が、ことのほか重要になる。しかし、現在市販の最先端(SOTA)、高コスト、最高感度の検査装置は、レイヤの下に隠れている欠陥を見つけることができない。結果的に、ウェハが検査をパスしても、一段と小さく、隠れた欠陥を検査システムが検知できなかったために、最終デバイスが合格にならないことがある。例えば、数百万ドルもするSOTA検査システムは、最高分解能が150nm。したがって、これよりも小さな欠陥は見落としてしまう。現在のファブのプロセスは、28nm、それ以下まで微細化されており、ファブの検査技術者は、ダイのわずか数nmの欠陥を検出し、特定するという問題に直面している。ARPのTeraScanは、1nm分解能を実現したことで、この分解能不足に対処することができる。
もう1つの問題は、表面下に隠れた極めて小さな欠陥を検出することだ。現在のファブプロセスは、多層構成とオン・ウェハデバイスが不可欠であり、数10レイヤがスタックされている。普通の光検査システムが見ることができるのは表面だけであり、分解能も限られている。したがって、表面層の下に埋め込まれた欠陥は、工程が最終段階に行く前に、早期に発見しなければならない。これは、現在のSOTAが提供しているような可視光やIRの検査装置では不可能。
電磁スペクトラムのテラヘルツ(THz)は、他の光源にはない固有の特長がある。テラヘルツは、金属を除いて、ほとんどの材料を透過するので、表面だけでなく、多層基板の表面、内部層も見ることができる。X線と異なり、テラヘルツは非電離であるので、場合によっては数nmの、最新の注意を要する特性にダメージを与えることもない。しかし、非常に高感度であるので、テラヘルツはナノメートルサイズの欠陥を検出することができる。ARPのテラヘルツ検査装置はテラヘルツの特長とスマートポジショニング(位置決め)システムとを統合しており、早期のウェハ欠陥検出とともに、工程終了後のデバイスの欠陥分析にも使用できる。混入、クラック、不均一性、微小粒子の特殊材料など、いかなる欠陥もこの技術で検出、特定できる。

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