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ブリストル大学、チップ上で光の渦巻きを実証

October 25, 2012, Bristol--UKのブリストル大学、グラスゴー大学、中国のSun Yat-sen and Fudan、研究グループは、シリコンチップ上に「光渦巻きビーム」の集積エミッターアレイのデモンストレーションを行った。
従来のコンセプトとは違い、そのようなビームの光は直線的に伝搬しない。そのエネルギーは中空円錐形状で渦巻きのように動いていく。ビームは渦巻き、もしくはサイクローンそのものであり、光線は左巻きか右巻きになる。理論的には、光線がどのように捻れるかに決まりはない。
量子力学では、この特性はフォトンの軌道角運動量(OAM)と関連している。そのようなビームのフォトンはビーム軸の周りで軌道を描くと考えられており、太陽の周りの惑星あるいは核の周りの電子の運動と似通っている。
その光が物質と相互作用するとき、物質にトルクを生じさせる。つまり、「光ピンセット」に加えて、「光スパナ」として使え、ミクロの粒子を回転させたり、捕捉したりできる。ねじれ角の違いは情報伝達にも使える、1つの光信号で多数の情報を伝えることができ、光通信リンクの容量を増やすことができる。
同じ周波数ではあるが異なるOAM値の光ビームは異なる情報の伝達に使える。単一のフォトンは、これらの異なる角度のねじれを使って量子情報を表すことができ、ここでは1個のフォトンが同時に時計回りにも、反時計回りにもなる。そのような光をイメージングやセンシング目的で使うアプリケーションの開発も進められている。例えば、カイラル(対掌性)をもつ分子があり、通常の顕微鏡では同じに見えるが、ただしそれは異なる角度もしくは捻れ方向の渦巻きビームに当たるまでのことだ。
従来、そのようなビームの生成は、プレート、レンズ、ホログラムなど、バルク光素子を使用していた。これらは研究にはよいが、アプリケーションに展開するには不便である、特にそのようなビームを高密度に多数詰め込むようなアプリケーションには使えない。
それに対して、ブリストル大学で発明された新しいエミッタのサイズはわずか数ミクロン(μm)であり、従来の素子と比べると何千倍も小さい。この新しい素子はシリコン光導波路をベースにしており、標準的なIC製造技術で作製できる。
これらのデバイスは簡単に相互接続して複雑な大規模PIC(光集積回路)アレイを形成し、通信、センシング、微小粒子操作などのアプリケーションに使える。
(詳細は、www.bristol.ac.uk)

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