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NEC、シリコン集積光スイッチを用いて20Tbps超大容量光装置を開発

September 12, 2012, 東京--NECは、シリコンフォトニクス技術を利用して、20Tbpsの超大容量光信号を、様々な伝送路(方路)に切り替える光スイッチ装置を開発した。
近年、基幹光ネットワークのデータトラフィックは増加を続けており、ネットワーク資源を効率的かつ高い柔軟性をもって低電力に利用できる光ネットワーク技術が求められている。この技術を実現するには、複数の光伝送装置(トランスポンダ)からの伝送信号を、任意の波長(Colorless)、任意の方路(Directionless)に競合なく(Contentionless)割り当てるCDC機能を搭載したトランスポンダ集約スイッチ(TPA: transponder aggregator)が必要だが、トランスポンダや方路の数が増加すると、スイッチ規模が大きくなり、サイズと消費電力の増加が課題となる。
NECは、150個の素子を1チップに集積したシリコン集積光スイッチを小型モジュールに実装し、TPAに利用。これにより、CDC機能を有しながら、最大48台のトランスポンダを8方路に切り替えることが可能になる。またこのTPAは、実用化を想定して一枚のボード上に構成し、従来の石英光導波路の光スイッチと比較してモジュールサイズと消費電力を約1/10で実現。さらに、各スイッチの駆動を最適化することにより、安定かつ高速な信号の切り替えを実現した。
このスイッチ装置を用いて、将来のトラフィック増大に対応する光スーパーチャネル技術(20Tbps)を用いた大容量光信号切り替え実験を行い、切り替えに伴う信号劣化の無い高品質な通信に成功した。

開発技術特長
・拡張性の高いスイッチ構成により、将来の大容量化に対応: シリコンフォトニクス技術を用いて開発した150個の素子を集積した超小型光スイッチチップを、小型モジュールに搭載。このモジュールを、トランスポンダ数に応じてスケーラブルに拡張可能とするスイッチ構成を実現。12台の8入力/8出力スイッチモジュールを用いて、48ポート(双方向)の大容量なTPAを実現。
・スイッチ内のクロストークを最小化し、方路切り替えによる信号劣化を抑制: スイッチ内の複数の光信号の切り替えにおいて、所望の信号以外の光の混入(クロストーク)を抑えるデバイス構造と駆動方式を開発。これにより、多段スイッチ通過後のクロストークを、制御しない場合と比較して1万分の一以下に抑圧し、20Tbpsスーパーチャネル、100Gbps DP-QPSKなど多様な光信号の伝送において、方路切り替えに伴う信号劣化ゼロを実現。
・高集積スイッチの最適駆動により、高速な切り替えを実現: 各小型モジュール内に実装した光スイッチを同期して切り替える、ドライバとコントローラを開発。これにより、30µs以下と高速な切り替えを実現するとともに、信号品質の変動を大幅に抑圧し、多方路CDC-ROADM装置のダイナミックな運用を実現。

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