Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

September 6, 2012, 東京--NECは、顔認識や人物検索など、高度な映像解析を行う監視カメラシステムにおいて、一台のサーバで従来比3倍の映像を処理できる、大規模映像処理技術を開発した。
この技術を用いて、人の特徴（顔、服装）情報や不審行動を解析する映像監視システムへ適用し実験を行い、従来のすべての映像を解析処理していた場合と比較して、一台のサーバで解析可能なカメラの台数が、10台から30台と3倍に増加することを確認した。これにより、従来と同じサーバの台数で、約3倍の広さの監視エリアに高度映像解析を適用できる。
近年、世界中の空港、駅、街頭などにおいて、監視カメラの映像を解析し不審な人物を自動検出する技術が求められている。
人間が目視により監視を行う際に補助となる高度な映像解析の処理には、高い計算能力を有した複数のサーバが必要。このため、重要性の高いエリアへの適用などに限られており、大規模な監視カメラ映像への導入が課題となっている。
今回開発した技術は、監視カメラで撮影した映像の内容に応じて、解析処理の実行を制御するもので、例えば、人物の映っている映像のみ解析をする、重要性の低い場所は解析の頻度を抑えるなどの制御を行うことで、処理を効率化する。

開発技術の特長
1.映像内容に応じて解析処理の実行を判断し、処理を効率化: 監視カメラで撮影した映像の内容に応じて、解析処理の実行を制御する技術を開発。これにより、映像に人が映りこんでいるものは優先して処理し、人がいなくなったら解析頻度を下げる、場所や時間帯に応じて解析頻度を調整するなど、検出精度を維持しながら処理を効率化。サーバあたりの解析処理量を最大化し、より広域・大規模な監視エリアに高度映像解析を提供可能。
2. 監視業務の性能要件に応じた処理効率化を実現: ユーザの要望に応じて、解析処理の制御を、システム上で設定変更可能。これにより、必要最小限の映像だけ解析したい、最重要エリアの映像解析はすぐに行いたいなど、ユーザの性能要件に応じて柔軟に解析処理の制御を設定可能。

今回開発した技術と、従来からNECが開発している顔認証や人物検索技術を組み合わせることで、世界各国の施設や街頭の監視カメラに、大規模監視システムの搭載が可能になる。
NECは今後、「国内外におけるこの技術の実証実験を行い、早期の実用化に向けて積極的に取り組む」としている。