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富士通研、CPU間大容量データ伝送に向けシリコン集積光送信器を開発
September 4, 2012, 川崎--富士通研究所は、CPU間での大容量データ伝送を実現するために必要となる、光送受信器用のシリコン集積光送信器を開発した。
CPU近傍に設置される光送信器に搭載される光源と、光源から発せられた光に情報を乗せる光変調器はCPUからの発熱により温度変化の影響を大きく受けるため、それぞれの動作波長を常に一致させるための温度制御が不可欠。富士通は、温度制御を不要とする構造を考案し、光源と光変調器のそれぞれに本構造を採用することで、温度特性が一致することをこれまで実証してきた。今回、この構造を採用した光源と変調器を同一シリコン上に集積した光送信器を試作し、25℃から60℃の範囲で毎秒10ギガビットの光変調信号が得られることを実証した。また、光送信器全体の消費電力を従来に比べ約50%削減した。
今回開発した技術により、低消費電力な光送受信器をCPUパッケージに搭載することが可能になる。大容量データ伝送が必要とされる将来のエクサフロップス級スパコンやハイエンドサーバなどへの適用により、超高速コンピュータの実現が期待される。
光送受信器内の送信器は、光を出す光源とその光に情報を乗せる光変調器で構成される。光変調器は、低消費電力化および小型化に有利なリング共振器を用いた構成が望まれる。一方、光送受信器はCPUの近くに配置されるため、CPUからの発熱の影響などにより、光源の発振波長と光変調器内のリング共振器の波長が一致しなくなると、光に情報が乗らなくなるという問題があった。これを一致させるためには温度制御機構が必要となり、光送受信器の小型化・低消費電力化を妨げる要因となっていた。
光源の波長制御部に光変調器と同一のリング共振器を用いることで、温度制御機構なしで光源と光変調器の波長を一致させる構造を考案。また、同構造を採用した光源と光変調器をそれぞれ個別に試作し、それぞれの温度特性が一致することをこれまでに実証。
◆開発した技術
今回新たに、この構造を採用した光源と光変調器を同一シリコン上に集積した光送信器を試作し、温度制御機構なしで光源と光変調器の波長を一致させて、25℃から60℃の範囲で10Gbpsの光変調信号が得られることを実証した。
光源と光変調器を集積して試作したシリコン光送信器では、温度の変動による波長のシフトに対応するため光源の波長制御部と光変調器には同一のリング共振器を用いている。さらに、光源の波長と光変調器の波長が多少ずれても動作を保障するために、光変調器はリング共振器を複数並べた構成とすることで動作波長範囲を拡大。このような構造とすることで、温度制御機構が不要となり、光送信器全体の消費電力を従来に比べ約50%削減。また、半導体光増幅器を除いた光送信器の長さは約2mmと小型化を実現。シリコン細線光導波路構造の最適化により、将来的には1mm以下の小型化が期待できる。
温度を変化させながら測定した10Gbpsの光変調信号を見ると、温度が25℃から60℃まで変化させた時、スペクトルのピーク波長は長波長側に移動するが、波長の制御無しで安定した変調信号が得られていることが分かる。
この光送信器の高速化をさらに進め、波長多重技術を利用して1チップに多数集積することにより、CPUモジュールに搭載可能なサイズで、毎秒テラビット級の大容量光データ伝送を実現することが可能になる。
開発した技術を用いることで、将来のエクサフロップス級スパコンやハイエンドサーバに必要なCPU間の大容量データ伝送を低消費電力で実現することが可能となり、超高速コンピュータの実現が期待される。
CPU近傍に設置される光送信器に搭載される光源と、光源から発せられた光に情報を乗せる光変調器はCPUからの発熱により温度変化の影響を大きく受けるため、それぞれの動作波長を常に一致させるための温度制御が不可欠。富士通は、温度制御を不要とする構造を考案し、光源と光変調器のそれぞれに本構造を採用することで、温度特性が一致することをこれまで実証してきた。今回、この構造を採用した光源と変調器を同一シリコン上に集積した光送信器を試作し、25℃から60℃の範囲で毎秒10ギガビットの光変調信号が得られることを実証した。また、光送信器全体の消費電力を従来に比べ約50%削減した。
今回開発した技術により、低消費電力な光送受信器をCPUパッケージに搭載することが可能になる。大容量データ伝送が必要とされる将来のエクサフロップス級スパコンやハイエンドサーバなどへの適用により、超高速コンピュータの実現が期待される。
光送受信器内の送信器は、光を出す光源とその光に情報を乗せる光変調器で構成される。光変調器は、低消費電力化および小型化に有利なリング共振器を用いた構成が望まれる。一方、光送受信器はCPUの近くに配置されるため、CPUからの発熱の影響などにより、光源の発振波長と光変調器内のリング共振器の波長が一致しなくなると、光に情報が乗らなくなるという問題があった。これを一致させるためには温度制御機構が必要となり、光送受信器の小型化・低消費電力化を妨げる要因となっていた。
光源の波長制御部に光変調器と同一のリング共振器を用いることで、温度制御機構なしで光源と光変調器の波長を一致させる構造を考案。また、同構造を採用した光源と光変調器をそれぞれ個別に試作し、それぞれの温度特性が一致することをこれまでに実証。
◆開発した技術
今回新たに、この構造を採用した光源と光変調器を同一シリコン上に集積した光送信器を試作し、温度制御機構なしで光源と光変調器の波長を一致させて、25℃から60℃の範囲で10Gbpsの光変調信号が得られることを実証した。
光源と光変調器を集積して試作したシリコン光送信器では、温度の変動による波長のシフトに対応するため光源の波長制御部と光変調器には同一のリング共振器を用いている。さらに、光源の波長と光変調器の波長が多少ずれても動作を保障するために、光変調器はリング共振器を複数並べた構成とすることで動作波長範囲を拡大。このような構造とすることで、温度制御機構が不要となり、光送信器全体の消費電力を従来に比べ約50%削減。また、半導体光増幅器を除いた光送信器の長さは約2mmと小型化を実現。シリコン細線光導波路構造の最適化により、将来的には1mm以下の小型化が期待できる。
温度を変化させながら測定した10Gbpsの光変調信号を見ると、温度が25℃から60℃まで変化させた時、スペクトルのピーク波長は長波長側に移動するが、波長の制御無しで安定した変調信号が得られていることが分かる。
この光送信器の高速化をさらに進め、波長多重技術を利用して1チップに多数集積することにより、CPUモジュールに搭載可能なサイズで、毎秒テラビット級の大容量光データ伝送を実現することが可能になる。
開発した技術を用いることで、将来のエクサフロップス級スパコンやハイエンドサーバに必要なCPU間の大容量データ伝送を低消費電力で実現することが可能となり、超高速コンピュータの実現が期待される。