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超薄型シリコンウェハのレンズで完璧画像実現

August 28, 2012, Cambridge--ハーバード大学工学・応用科学(SEAS)、応用物理研究チームは、従来レンズの歪を残すことなく光を集光する超薄型フラットレンズを作製した。
フラットレンズの厚さはわずか60nmで2Dであるが、集光能力は回折の法則によってきまる物理限界に近づく。
この新しいデバイスは通信波長で動作し、近赤外からテラヘルツ波長までスケールする。製造も簡単。主席研究者、Federico Capasso氏、Robert L. Wallace応用物理学教授、SEAS電気工学シニアリサーチフェロー、Vinton Hayes氏は、この新しいレンズ技術について、「光が材料の厚さを透過するときに位相を遅らせるのではなく、レンズ表面で瞬間的な位相シフトを起こさせる」と説明している。
Capasso氏の研究グループは、ナノメートル厚の金で薄いシリコンウェハを覆うことでフラットレンズを作製する。次に、金のレイヤの一部を取り除いてV-形状のアレイを残し、表面全体に均一スペースで列ができる構造とする。そのフラットレンズにレーザを照射すると、この構造がナノアンテナとなって入力光を捉え、しばらく光を保持する。レンズ表面で正確にチューニングできるこの遅延が、光の方向を変え、厚いガラスレンズの働きと同じになる。
このフラットレンズは、従来の広角レンズの「魚眼」効果のような光収差を除去する。非点収差やコマ収差もこのフラットレンズでは生じない。したがって、結果として得られる像は極めて正確であり、複雑な補正技術は全く不要になる。
このナノメートルアンテナは「メタ表面」(metasurface)と呼ばれ、そのアンテナのサイズ、角度、スペーシングを変えるだけで特定の光波長にチューニングできる。
「将来的には、大部分の光学系で全てのバルクコンポーネントをこのフラット面で置き換える」とイタリアUniversità Politecnica delle Marcheからの客員生、Francesco Aieta氏はコメントしている。
(詳細は、www.harvard.edu)

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