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レーザとメカニクスの組合せで次世代センサ

July 31, 2012, Ecublens--スイスのEPFL(École Polytechnique Fédérale de Lausanne)の研究チームは、シリコンチップに埋め込める迅速かつ高精度のオプトメカニカル計測システムを開発した。この新技術は、センサドメインやAFMに革命を起こす、とEPFLは説明している。
共振器は、大気中の微小な物質を発見するために用いる。微小ストリングが粒子もしくは気体分子と接触すると、それが振動する。各分子が、ギターの弦のように特別な振動をするので、例え微少量であっても、気体、空気中の懸濁粒子を特定できる。EPFLの物理学者、Tobias Kippenberg氏は、同僚のPierre Verlot, Emanuel Gavartinとともに、よりコンパクトで感度が高く、正確なセンサの開発で重要な一歩を踏み出した。
研究チームは現在、共振器の小型化に取り組んでいる。ストリングが小さくなればなるほど、それが分子と接触したときにその反応が強くなる、言い換えると、センサが小さければ小さいほど、益々感度が向上する。直径わずか数100nmのストリングのデバイス、GavartinがEPFLのマイクロナノテクノロジセンタと協力して開発したデバイスは、室温動作可能な最も高感度なデバイスの1つである。
研究チームはレーザビームを小さなガラスディスクに直接打ち込んでストリングスの振動を解析する。ビームは、わずか2nsで1000回回転した後にディスクから出る。ストリングはフォトントラックの直ぐ上に置かれていて、それが振動するとビームを攪乱する。レーザの波長を比較することで、ビームがディスクに入って出ていく時、研究チームはストリングの動作を推定する。
ビームが直面する大きな障害は、「ブラウン運動」として知られる物理的現象だった。これがストリングにランダム振動を引き起こし、すべての衝撃で増幅され、静まるまでに一定の時間がかかる。この現象のために計測が大幅に遅くなる。ちょうど、ギターで音符を弾いた後、次の音符を引くまでにストリングの振動が静まるのを待たなければならないのと似ている。
この問題は、ヘリウムを用いてシステムを冷却することで一般には克服される。と言うのは、ブラウン運動は極低温で大幅に抑制されるからだ。しかしEPFLチームはブラウン運動を抑制する新技術の開発に成功し、しかもそのシステムは室温で動作する。1つのレーザ、「プローブ」がストリングの運動を検出する。信号はリアルタイムで処理され、第2のレーザの変調に利用され、「制御」する、これがディスクに入力されて、ストリングに対抗力を与えることでブラウン運動の効果を無効にする。これは、ある種の仮想的な冷却システムだ。
この画期的な技術を使うことで、研究チームは、動作温度20℃で、計測時間を32倍短縮した。精度は極めて高い。「ストリングの代わりに、100m長の橋を使うなら、それを同じ比率にすると、1nmの歪み、つまり髪の毛の直径の1/10000の歪みでもリアルタイムに計測できる」とVerlotd氏は説明する。
(詳細は、www.epfl.ch)

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