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NIF、レーザで最高記録500兆Wを達成

July 25, 2012, Livermore--ローレンスリバモア国立点火施設(NIF)研究チームによる15年にわたる研究により、レーザショット世界記録が誕生した。
192ビームのNIFレーザシステムは、ピークパワー500テラワット(TW)、1.85MJのUVレーザ光をわずか直径2mmターゲットに照射した。500テラワット(TW)という数字は、米国が瞬間的に使用する電力の1000倍を超えており、1.85MJのエネルギーはこれまでの最高レーザの約100倍となる。
これは、1990年代後半に世界で最も強力なレーザ施設を計画したときの難易度が極めて高いレーザパフォーマンス仕様を確証したものとなる。NIFのターゲットに最高レベルのエネルギーとピークパワーを集めることは、物理学の大課題の1つ、実験室における水素融合燃料に点火し、ターゲットに供給される以上のエネルギーを生み出す大課題達成のための不可欠の要求。
この歴史的な試験では、NIFの192のレーザが、直径2mmのターゲットに向けて数兆分の1秒以内に相互発振した。総エネルギーは、要求レベルを1%超えるレベル。また、ビーム間均一性も1%以内となっており、NIFはこの種のレーザで最高エネルギーのレーザ、最も精度が高く再現性の優れたレーザを実現したことになる。
MITの高エネルギー物理学部門長/シニア研究サイエンティスト、Dr. Richard Petrassoによると、500TW照射は、これまでは恒星内部にしか存在しなかったが、NIFの研究チームはこれを実験室で実現した。
7月5日のショットは、ターゲットで総エネルギーが1.8MJを超えた3度目の実験だった。7月3日、研究チームはこれまでで最高のエネルギーレーザを実現し、ピークパワー432TWでターゲットに1.89MJを超えるエネルギーを打ち込んだ。3月15日の実験は、ピークパワー411TWで、初めて1.8MJを達成し、7月5日の実験の前奏となった。
NIFの限界レベル・レーザパフォーマンス達成の当初の懸念は、1990年第後半では、1つはオプティクスの品質がこのレーザ強度に耐えられるかどうかと言うことだった。ローレンスリバモアの研究チームは業界のパートナーと緊密な関係を構築して製造法を改善し、欠陥数を激減させた。また、レーザの繰り返し発射に起因する損傷を除去し、緩和するための独自の工夫も開発した。
NIFは、UK、フランス、ロシア、日本および中国で建設中の、また計画されている新しい巨大レーザ施設設計に影響を与えつつある。
(詳細は、www.llnl.gov)

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