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光ループで個別分子を検出する方法を開発

July 24, 2012, Leuven--KU Leuvenの研究者、Ventsislav Valev氏の国際研究チームは、単独分子を光検出するためにナノスケールで光を操作する新しい方法を開発した。
円偏向の光を金の方形リング形状のナノ構造に照射することで、研究チームはナノ構造の表面全体を活性化し、これによって分子との相互作用を著しく強めることができる。
世界中のナノテクノロジー研究者が単独分子を光検出する方法を探求しているが、単独分子は光応答が極めて弱いので成功が阻まれている。これまで、研究者たちは「ホットスポット」と呼ばれる微小スポットに光をフォーカスするために金属ナノ構造を用いる方法を開発した。ホットスポットはナノ構造の表面で電子を活性化し、これにより電子がコヒレント共振する。分子に光を照射し、こうした電子振動の助けを借りるとフォーカス光は分子の光信号を通常の1000億倍強くすることができるので、この信号は光学顕微鏡で検出できる。
しかし、現状の方法には2つの問題がある。ホットスポットは熱くなりすぎ、単なるスポットになる。つまり、ホットスポットからの熱がナノ構造を溶かし、効率よく光を導くことができなくなる。ホットスポットは、分子との相互作用が生ずる極めて小さなクロスセクションにしかならない。さらに、単独分子が検出可能になるには、分子はホットスポットを見つけ出さなければならない。
こうした問題を克服するために、Dr. Valevの研究チームは、より大きなスポットをナノ加工した。直線偏向ではなく、円偏向の光をナノ構造に照することで、このナノ構造の有効領域が拡大することが分かった。さらに重要な点は、方形リング形状の金ナノ構造に照射したとき、ナノ構造の表面全体が活性化することが分かったことだ。
Dr. Valevの説明によると、「本来、光は空間を通り抜ける電磁場でできている。直線偏向では、電磁場は直線的に、前方向に進み、円偏向ではスパイラルのように回転する。円偏向は、リング形状の金ナノ構造の電子を回転させることで、光をリングに捉え、「光ループ」を形作る。この光ループによって、励起された電子が方形リングナノ構造の表面全体でコヒレント共振する。つまり、これはもはや集中的なホットスポットではない。こうして分子との相互作用が増加するのだ」。さらにDr. Valevは「これは、ナノ構造の表面全体を活性化しようとするものであり、狙いは分子が付着したらいつでもそれが見えるようにすることだ」とコメントしている。
この方法はナノスケール光化学における幅広い応用があり、単独分子やマルチ分子相互作用の可視化技術の前進に役立つ。
(詳細は、Advanced Materials)

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