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Griffith大学、世界で初めて単原子の影を撮影

July 13, 2012, Griffith--グリフィス大学(Griffith University)の研究チームは、単原子の影を撮影することに初めて成功した。
「われわれは顕微鏡の極限に達した。可視光を使って原子以下の小さなものを見ることはできない。われわれは、影を落とすのにどの程度の数の原子が必要かを知りたかった。たった1個でよいことが証明された」と同大学量子力学センタ、Dave Kielpinski教授はコメントしている。
この成果は過去5年に渡る研究チームの研究の結果。
この成果の中心には超高分解能顕微鏡がある。この顕微鏡で、見ることができる暗い影を作ることができる。世界中どこであろうとも、このような究極の光イメージング能力をもっているところはない。写真を撮れるだけの時間、原子を静かに保持しておくことは、それ自体並外れたことだが、新しい技術ではない。原子をチャンバに隔離し、電気力で自由空間に保持した。
Kielpinski教授の研究チームは、イッテルビウム単原子イオンを捉え、それに特別な周波数の光をあてた。この光の下で原子の影がディテクタに投影され、その像をデジタルカメラで撮ることができた。
「超高分解能顕微鏡を用いることで、これまでの成果よりももっと狭いエリアに像を投影することができ、これまで以上に暗い像を創って見やすくした」と同教授は説明している。
このプロセスに必要な精度は、ほとんどイメージングのレベルを超えている。
「わずか10億分の1、その原子に照射する光の周波数を変えたら、像はもはや見られない」とKielpinski教授は言う。
研究チームのメンバー、Dr. Erik Streedは、「そのような実験は、原子物理に対するわれわれの理解を確実にするのに役立ち、量子コンピューティングにとっとも有用である」とコメントしている。
加えて、生体顕微鏡検査法にもメリットがある。
「単原子がどの程度暗くなければならないか、つまり影ができるのにどの程度の光を原子が吸収するかが予測できるので、物理学が許容できる最大コントラストに顕微鏡が達しているかどうかを知ることができる」。
「DNAストランド(鎖)のような非常に小さく、もろい生物学的試料を見たいときにこれは重要だ。DNAストランドはUV光やX線の照射が強すぎると、材料に害が及ぶからだ。適切な顕微鏡条件下、しきい値を超えて試料を破壊しないように、生物内のプロセス観察にどの程度の光が必要であるかを予測できるようになった」。
これによって物事に対する生物学者の考えが変わるかも知れない、と研究チームは見ている。
この研究成果は、Nature Communicationsに発表されている。
(詳細は、www.griffith.edu.au)

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