関連イベント
関連雑誌
News Details ニュース詳細
携帯電話基地局に向けた高出力・高効率のGaN増幅器を開発
June 22, 2012, 東京--三菱電機は携帯電話の2GHz帯に向けた、出力170W、電力変換効率70%のGaNトランジスタ増幅器を開発した。「100W以上の高出力素子で70%という数字は世界最高効率」(三菱電機 情報技術総合研究所 光・マイクロ波回路技術部長の中村正敏氏)。従来の基地局用の増幅器には、SiトランジスタやSiC上に成長させるGaNトランジスタなどがある。しかしSiトランジスタは安価だが性能が低い、またSiC上GaNはそれぞれの格子定数が近いため形成が比較的容易であるが高価であるなどの課題があった。今回の開発では、Si上に独自技術で高品質のGaNを形成することにより、く効率かつ低コストのGaN増幅器を作成することに成功した。高出力のため複数の増幅器を組み合わせる必要がなくなる。また高効率であることから放熱機構の簡略化などが可能になり、設備の簡素化・小型化・低消費電力化に貢献する。
今回の開発では、Siの上に緩衝層を設けることによって高品質のGaNを作成し、高出力・高効率を達成した。従来から安価なSi基板上にGaNを形成する試みは行われてきたが、SiC基板と比べて格子定数の差が大きいため、ひずみのないGaN結晶を作成することが難しかった。そこで緩衝層にAlを加えるとともに、緩衝層の成長を詳細にコントロールすることによって、ひずみを低減したトランジスタの形成に成功した。従来のSiC基板GaNと同程度の電気性能を持つという。また電力変換効率はSiトランジスタの58%に比べて12ポイント向上し、かつコストはSiトランジスタと同程度に抑えられるという。パッケージサイズは23×10mm。同製品を組み込んだ電力増幅ユニットは3分の2程度に収まるという。
現在スマートフォン利用者の増加により、基地局の需要は高まっている。三菱電機 情報技術総合研究所 所長の千葉 勇氏は「例えば町の中では鉄塔を立てずにビルディングの屋上に設置するといったこともある。今回の設備の小型化により、設備全体を屋上に運び配線を下から引くのではなく、小型化した増幅器と接続用の軽い光ファイバだけを屋上に配置すれば、作業やメンテナンスの手間も大幅に省くことができる」としている。
今回の開発では、Siの上に緩衝層を設けることによって高品質のGaNを作成し、高出力・高効率を達成した。従来から安価なSi基板上にGaNを形成する試みは行われてきたが、SiC基板と比べて格子定数の差が大きいため、ひずみのないGaN結晶を作成することが難しかった。そこで緩衝層にAlを加えるとともに、緩衝層の成長を詳細にコントロールすることによって、ひずみを低減したトランジスタの形成に成功した。従来のSiC基板GaNと同程度の電気性能を持つという。また電力変換効率はSiトランジスタの58%に比べて12ポイント向上し、かつコストはSiトランジスタと同程度に抑えられるという。パッケージサイズは23×10mm。同製品を組み込んだ電力増幅ユニットは3分の2程度に収まるという。
現在スマートフォン利用者の増加により、基地局の需要は高まっている。三菱電機 情報技術総合研究所 所長の千葉 勇氏は「例えば町の中では鉄塔を立てずにビルディングの屋上に設置するといったこともある。今回の設備の小型化により、設備全体を屋上に運び配線を下から引くのではなく、小型化した増幅器と接続用の軽い光ファイバだけを屋上に配置すれば、作業やメンテナンスの手間も大幅に省くことができる」としている。