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画期的なアトセカンドパルス生成法を開発

June 18, 2012, Gaarching--量子オプティクス・マックスプランク研究所(MPQ)のアトセカンド物理学(LAP)チームは、新たなアトセカンド光生成技術を開発した。
ガラス表面の電子が、高強度レーザパルスを照射されたとき、わずか数アト秒(attosecond)の光を生成する。1アト秒は、10-18秒。レーザの電界で、ガラス表面の電子が振動を始める。これにより超短アトセカンド光が生成される。MPQのLAP研究チームは、この画期的な方法を提案した。これは、現行のアトセカンド光生成法に取って代わる可能性がある。現在、アトセカンド光は希ガス内の電子によって生成される。LAP研究チームは、ガラス表面からアトセカンド光を生成する方法に利点があると確信している。
アト秒持続する光により、これまであまり知られていない世界、ミクロコスモ(小宇宙)を観察できる。アトセカンド光により、電子の超高速動作の画像化が初めて可能になった。この短パルスは通常、希ガス原子を利用して生成する。これらの原子の電子はレーザ光のエネルギーを吸収し、それを超短パルス光として再び出力する。光のバーストが短ければ短いほど、ミクロコスモの画像は鮮明になる。
この短パルス生成には別の方法がある。MPQのLAPが発表したのはその1つだ。研究チームは、わずか8フェムト秒(fs)、16テラワットのレーザパルスをガラスターゲットに照射する。これが相対論的に振動するミラーになる。1fsは、10-15秒、16テラワットは約1000原子力発電所に相当。
8fsレーザパルスは3光サイクル、つまり電界の3サイクル。この電界がガラス表面をヒットすると相対論的プラズマが形成される。言い換えると、表面の電子は固体から出て光の速度まで加速されるが、電界の偏向が変わるとすぐに減速され、再び表面に戻ってくる。これにより電子は振動ミラーになる。この移動ミラーにおける反射が起こる間にパルスレーザ光の一部は近赤外スペクトラル領域から極紫外XUV(波長17nm)に変換される。これによりアト秒領域の短パルスが生成される。これらの閃光は、適切にフィルタリングすると、孤立したバーストもしくはパルストレインとなる。この方法のシミュレーションによると、超短閃光は約100アトセカンドの持続時間を持つ。
従来のアトセカンドパルス生成法と比較して、この新しい閃光はフォトンの数が多く、強度も強い。強度が高くなることによって、2つのアトセカンド閃光を用いてミクロコスモプロセスの観察が可能になる。アトセカンドバーストと、より長いフェムトセカンドセカンドレーザパルスとを組み合わせて用いることで、現在よりも高い解像度を実現できる。
(詳細は、www.mpg.de)

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