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Element Sixとハーバード大学、合成ダイヤモンドで量子情報記録

June 13, 2012, Ascot--合成ダイヤモンド・スーパーマテリアルの先駆的企業、Element Six(エレメント・シックス)は、ハーバード大学、カリフォルニア工科大学、マックスプランク量子光学研究所と協働し、CVD(化学蒸着)成長したElement Sixの単結晶合成ダイヤモンドを使用して室温で1秒を上回る量子ビットメモリ能力を実証した。
この研究で示されたのは、合成ダイヤモンドが量子ビット読み出しができること、スピン偏極を数分、メモリ慣性を1秒以上保持できること。室温でこれほどまで長いメモリ時間の材料が報告されたのはこれが初めてであり、合成ダイヤモンドは、例えば極低温冷却が不可欠となる複雑なインフラを必要とする競合材料や技術に対して大きな利点があることが示された。
この合成ダイヤモンドシステムの多様性、堅牢性、潜在的なスケーラビリティにより、量子情報科学や量子ベースのセンサ、例えば化学/生物学的プロセスのナノスケールイメージングなど、新しいアプリケーションが可能になる。
合成ダイヤモンドの技術的成果は、UKアスコットのElement Six合成ダイヤモンドR&Dチームが完成させた。同研究チームは、CVD技術を用いて合成ダイヤモンドの新しい成長プロセスを開発。Element Sixグループイノベーションディレクタ、Steve Coe氏によると、「合成ダイヤモンド科学分野は動きが非常に速い。Element Sixは、ppt(1兆分の1)の不純物制御で合成プロセスを開発しなければならなかった。これはCVDダイヤモンド合成の真のナノエンジニアリング制御だ。3年にわたり、ハーバード大学のLukin教授の研究チームと密接な共同研究を行い、その成果をScienceに発表した」と話している。
Mikhail Lukin氏は、ハーバード大学物理学部教授。同教授はこの成果に関連して、「シングル量子ビット(qubit)を室温で数秒保持できることの実証は非常に素晴らしい成果だ。これはいずれ、新しい量子通信と量子コンピュータ技術に発展すると考えられるが、より近いところでは画期的な量子センサ技術、例えばナノスケールで化学プロセスや生物学的プロセスのイメージングに用いる磁場の画像化などがターゲットとなる」とコメントしている。
研究成果は量子情報処理の最新研究開発であり、合成ダイヤモンドでは個別原子サイズで不純物制御を行い、個々の電子の量子的特性であるスピン(古典的な考えでは、棒磁石の2つの状態を1、0とする)を利用する。しかし、量子力学的な言い方では、この量子ビット(qubit)は、同時に0と1の両方になりうる。これは量子コンピューティングのフレームワークでもあり、より直接的応用では斬新な磁気センシング技術となる。
(詳細は、www.e6.com)

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