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高速、ローパワーオールオプティカルスイッチ開発で前進
May 14, 2012, College Park--Joint Quantum Institute(JQI)が開発した光スイッチにより、フォトニクスとエレクトロニクスの統合が促進される。フォトンとエレクトロン(電子)を組み合わせて用いることは有効なオプトエレクトロニックプロトコルの開発にとって望ましいことだ、とJQIは説明している。
JQIスイッチは、わずか120psで光ビームの方向を変え、必要となるパワーは極めて少なく約90アトジュール(aJ)、約140フォトンに相当で、使用する波長は近赤外(921nm)。
ほとんどの電子機器の最重要部分はトランジスタ、半導体素子であり、その中ではゲート信号が近くの微小伝導路に流れる。こうして情報信号の通路がON/OFFスイッチングされる。フォトニクスにおける類似のプロセスは、ゲートとして動作する固体コンポーネントで、これによって導波路を通る光パスをON/OFFして光ビームのスイッチングを行う。
JQIの実験は、メリーランド大学とNISTでEdo Waks氏の研究グループが行ったが、この実験では共振器内部に置いた量子ドット(ゲートに相当)を用いてオールオプティカルスイッチが作製された。インジウムとヒ素のナノサイズサンドイッチからなるドットは極めて小さいので、あたかもドットが原子であるかのようで、内部を動く電子は個別の波長の光を発することができる。量子ドットはフォトニック結晶内部にある。フォトニック結晶は、多くの微小な穴をもつ材料。この穴は、狭い波長域を除いて、光の結晶通過を阻止する。
実際のところドットは、共振器のように働く小さなホールフリーアーケード内にある。光が導波路近くに来ると、その一部がキャビティに入り込み、そこで量子ドットと相互作用する。導波路の透過特性を変えることができるのはこの相互作用だ。スイッチング機能を実現するには140フォトンが必要だが、実際にQDの変調に必要なドットはわずか6フォトンであり、これによりスイッチングが行われる。
これまでの光スイッチは、バルクの非線形結晶と高入力パワーを用いなければ動作しなかった。それに対して、JQIスイッチは1個の量子ドットと極めて低い入力パワーで高非線形相互作用を実現。スイッチングにはわずか90aJが必要で、これは他のオールオプティカルスイッチと比べて100倍も少ないパワーだ。しかし、日本のスイッチは、室温動作という利点があるが、JQIのスイッチは約40Kを必要とする。
エレクトロニクスとの類似性について: 情報を運ぶ(プローブ)ビームとして、導波路(トランジスタにおける伝導路に相当)を伝搬する光は、第2のパルス、コントロール(ポンプ)ビームを使うことでスイッチングできる(方向を変える)。プローブビームがデバイスの外へ出るように操作するには、わずかに離調したポンプビームが、プローブビームと同時に到着する必要があり、これがドットと共振する。ドットは、キャビティ内、導波路の中心からわずかに外れて存在する。量子ドットの温度はキャビティと共振するように調整してあり、これによって強い結合が生じる。ポンプビームがプローブと同時に来ないなら、プローブビームは別の方向に出ていく。
よって、この量子ドットスイッチが「光トランジスタなのか」と問うと、JQIの研究者Ranojoy Bose氏は、「われわれの導波路ドットのセットアップは、弱い光のコントロールパルス(少ない数のフォトンパルス)だけを用いて光ビームを変調するまでには至っていない」と説明している。
同氏は、共振器をON/OFFスイッチするのに必要なフォトンの数は少なくなると見ている。ひとまず、JQIスイッチは、使いものになる超高速、ローエネルギーオンチップ信号ルータ実現への巨歩を進めた。論文によると、わずか6個のフォトンエネルギーでスイッチングが達成されたが、これは前例がない成果。サブ100aJスイッチング、ほぼシングルフォトンレベルのスイッチングは画期的な成果だ」とBose氏はコメントしている。
(詳細は、www.jqi.umd.edu)
JQIスイッチは、わずか120psで光ビームの方向を変え、必要となるパワーは極めて少なく約90アトジュール(aJ)、約140フォトンに相当で、使用する波長は近赤外(921nm)。
ほとんどの電子機器の最重要部分はトランジスタ、半導体素子であり、その中ではゲート信号が近くの微小伝導路に流れる。こうして情報信号の通路がON/OFFスイッチングされる。フォトニクスにおける類似のプロセスは、ゲートとして動作する固体コンポーネントで、これによって導波路を通る光パスをON/OFFして光ビームのスイッチングを行う。
JQIの実験は、メリーランド大学とNISTでEdo Waks氏の研究グループが行ったが、この実験では共振器内部に置いた量子ドット(ゲートに相当)を用いてオールオプティカルスイッチが作製された。インジウムとヒ素のナノサイズサンドイッチからなるドットは極めて小さいので、あたかもドットが原子であるかのようで、内部を動く電子は個別の波長の光を発することができる。量子ドットはフォトニック結晶内部にある。フォトニック結晶は、多くの微小な穴をもつ材料。この穴は、狭い波長域を除いて、光の結晶通過を阻止する。
実際のところドットは、共振器のように働く小さなホールフリーアーケード内にある。光が導波路近くに来ると、その一部がキャビティに入り込み、そこで量子ドットと相互作用する。導波路の透過特性を変えることができるのはこの相互作用だ。スイッチング機能を実現するには140フォトンが必要だが、実際にQDの変調に必要なドットはわずか6フォトンであり、これによりスイッチングが行われる。
これまでの光スイッチは、バルクの非線形結晶と高入力パワーを用いなければ動作しなかった。それに対して、JQIスイッチは1個の量子ドットと極めて低い入力パワーで高非線形相互作用を実現。スイッチングにはわずか90aJが必要で、これは他のオールオプティカルスイッチと比べて100倍も少ないパワーだ。しかし、日本のスイッチは、室温動作という利点があるが、JQIのスイッチは約40Kを必要とする。
エレクトロニクスとの類似性について: 情報を運ぶ(プローブ)ビームとして、導波路(トランジスタにおける伝導路に相当)を伝搬する光は、第2のパルス、コントロール(ポンプ)ビームを使うことでスイッチングできる(方向を変える)。プローブビームがデバイスの外へ出るように操作するには、わずかに離調したポンプビームが、プローブビームと同時に到着する必要があり、これがドットと共振する。ドットは、キャビティ内、導波路の中心からわずかに外れて存在する。量子ドットの温度はキャビティと共振するように調整してあり、これによって強い結合が生じる。ポンプビームがプローブと同時に来ないなら、プローブビームは別の方向に出ていく。
よって、この量子ドットスイッチが「光トランジスタなのか」と問うと、JQIの研究者Ranojoy Bose氏は、「われわれの導波路ドットのセットアップは、弱い光のコントロールパルス(少ない数のフォトンパルス)だけを用いて光ビームを変調するまでには至っていない」と説明している。
同氏は、共振器をON/OFFスイッチするのに必要なフォトンの数は少なくなると見ている。ひとまず、JQIスイッチは、使いものになる超高速、ローエネルギーオンチップ信号ルータ実現への巨歩を進めた。論文によると、わずか6個のフォトンエネルギーでスイッチングが達成されたが、これは前例がない成果。サブ100aJスイッチング、ほぼシングルフォトンレベルのスイッチングは画期的な成果だ」とBose氏はコメントしている。
(詳細は、www.jqi.umd.edu)