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2つのレーザを結合すると「レーザブラックアウト」になる

April 27, 2012, Vienna--ウイーン工科大学(Vienna University of Technology)の研究チームは、レーザを結合すると、互いのレーザをスイッチオフする「レーザブラックアウト」効果が得られることを発見した。
1つのレーザが発振していて、隣接の別のレーザの強度を徐々に強めていくと、両者の間に生ずる複雑な相互作用によってレーザは完全にシャットダウンされ、光が出なくなる。エレクトロニクス分野とフォトニクス分野の技術をつなげるとき、この結果は非常に重要な意味を持つ可能性がある。
理論物理学のStefan Rotter教授とMatthias Lietzer氏は、プリンストン大学、イェール大学、ETHチューリッヒの研究者の協力を得て、コンピュータシミュレーションを利用し、結合したマイクロレーザの振る舞いを調べた。
光は波で構成されており、波は干渉し相互に打ち消し合うことがよく知られている。「2つのレーザの相互作用はこれよりも複雑で、この効果は波の干渉だけではない。干渉と光増幅の組合せであり、これが見かけ上、逆説的な効果をもたらす」とMatthias Liertzer氏は説明する。新しい方法は、その一部はウィーン工科大学の数学者が開発したが、この問題を記述する複雑な式を解くのに必要だった。「この現象は、数学者の言う除外点に基づいている。除外点は複素空間面の特殊交点。われわれのレーザの式におけるそのような除外点の出現が、レーザのブラックアウトを引き起こす。このような方法で、抽象的数学的構造を計測可能な現象に結びつけることができる」とStefan Rotter氏は説明している。
ウィーン工科大学の電子工学者が現在、2つのマイクロレーザを用いた実験に取り組んでおり、これによって理論予測が検証されることになる。
(詳細: Physical Review Letters、http://prl.aps.org/abstract/PRL/v108/i17/e173901)

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