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アリゾナ州立大学、新しいナノ材料の組合せで赤外検出器改善

February 21, 2012, Arizona--アリゾナ州立大学(ASU)の研究チームは、国防やセキュリティシステムで重要となる赤外検出技術を改善する方法を発見した。この技術は、医療診断、商用アプリケーション、コンシューマ製品での使用も増えている。
最近発表の論文では、原子スケール構造で特殊パタンに整列されたある材料を用いることで赤外フォトディテクションの効率がどのように向上するかが詳説されている(Applied Physics Letters)。
効率向上は、わずか数nmの厚さの材料をマルチレイヤで用いることで実現できるとされており、各層に結晶が形成され、これらのレイヤ構造がまとまって「超格子(superlattices)」を形成する。
「異なる結晶でできたフォトディテクタは、異なる光波長を吸収し、それらを電気信号に変換する。これらの結晶で達成された変換効率がフォトディテクタの感度と検出品質を決める」とASUの電気コンピュータエネルギー工学部教授、Yong-Hang Zhang氏は説明している。
「この超格子独自の性質は、検出波長がレイヤ構造のデザインや組成を変えることでチューニングできる範囲が広いことだ。ナノスケール材料を超格子構造に精密にアレンジすることにより、赤外検出器の感度を向上させることができる」とZhang氏は主張している。
研究チームは、超格子構造を作製するためにInAs、InAsSb化合物を用いている。陸軍研究所の協力者と超格子材料の実験を行っている電気工学博士課程の学生、Elizabeth Steenbergen氏は、「この組合せによりデバイスは赤外信号検出とイメージングに必要な光電子を生成することができる。フォトディテクタで光が電子を生成する。電子はフォトディテクタから電流として出てくる。その電流の大きさを読んで赤外光強度を計測する」と説明している。
Zhang教授によると、この新しい材料を用いることで光励起の電子の損失が減少し、電子のキャリア寿命が従来技術比で10倍以上増えた。
この超格子材料による赤外フォトディテクタのもう1つの利点は、あまり冷却しなくてよい点だ。この種のデバイスは、電気信号を埋もれさせてしまう、デバイス内部の不要な電流量を減らすために冷却する。あまり冷却しなくてよいとは、フォトディテクタの動作に必要な消費電力が減ると言うことであり、これはとりもなおさずデバイスの信頼性向上、システムの経済性向上につながる。
(詳細は、www.asu.edu)

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