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UCSD Jacobs工学部が究極のナノレーザを開発

February 17, 2012, San Diego--カリフォルニア大学サンディエゴの研究グループが史上最小の室温発振ナノレーザを開発した。さらに驚嘆すべきデバイス、「しきい値がなく」全てのフォトンが無駄なく発振に寄与する高効率のレーザも開発した。
この2つのレーザは動作パワーが極めて低い。通常、レーザはナノサイズになると発振に必要な励起パワーが益々大きくなるので、これは重要なブレイクスルー技術だ。これらのナノレーザは、小型で、極度にローパワーであるので、微小なコンピュータチップ用に搭載される将来の光回路にとって極めて有用なコンポーネントになりうる。
UCサンデイエゴJacobs School工学部, Mercedeh Khajavikhan氏の研究グループは、新しいメタマテリアルを開発する際にしきい値のないレーザが役に立つかもしれないと考えている。
全てのレーザは、コヒレントビームを出射する時、つまり発振を始めるときに外部から何らかの「ポンプパワー」を必要とする。レーザのしきい値は、このコヒレント出力が自然放出光よりも大きくなるポイント。
レーザが小さくなればなるほど、その発振ポイントに達するために必要なポンプパワーは益々大きくなる。この問題を克服するために、UCサンディエゴの研究グループは、新しいレーザのデザインを開発した。このレーザは、しきい値の制約を緩和するために同軸ナノキャビティ内で量子電磁力学効果を用いた。テレビの同軸ケーブルのように、レーザキャビティは金属ロッドとそれを取り囲むリング状の金属コート、半導体量子井戸でできている。UCサンディエゴJacobs工学部、Mercedeh Khajavikhan研究チームは、このキャビティを改良することでしきい値のないレーザを実現した。
この新しいデザインによって、最小の室温CWレーザが可能になった。この新しい室温ナノスケールレーザは、2年前に発表した(Nature Photonics)世界最小のレーザよりもさらに一桁以上小さく、デバイス全体は直径が約1/2μm。
この高効率レーザは、チップ上の離れたポイント間に通信リンクを実現するのにレーザを用いるなど、将来のコンピューティングチップを光通信で補強するのに有用であると見られている。極めて小さなポンプパワーで発振するので、情報の伝達に必要なフォトンの数を少なくできる。
研究者によると、ナノレーザはスケーラブルであり、サイズを一段と縮小することも可能。極めて小さなナノスケール構造からのレーザ光を利用できることは重要な特徴。この特徴は、現在のレーザ波長よりも小さな構造を持つメタマテリアルの作製、解析に使える。
電気/コンピュータ工学のYeshaiahu Fainman教授によると、この新しいレーザの他のアプリケーションには、微小生物化学センサ、高解像度ディスプレイなどがあるが、研究グループはこの微小レーザの動作理論に解明に取り組んでいる段階。また、研究グループは、このレーザを光ではなく、電気で励起する方法も実現したいと考えている。
(詳細は、www.ucsd.edu)

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