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産総研、フェムト秒レーザによる酸化グラフェンの非熱的還元を提案

January 19, 2012, つくば--産業技術総合研究所(産総研)ナノシステム研究部門ダイナミックプロセスシミュレーショングループ 宮本 良之 研究グループ長は、シミュレーションに基づいて、パルス幅2フェムト秒(fs)程度のレーザ照射により、酸化グラフェンを還元してグラフェンを製造する方法を提案した。
今回の研究は計算プログラムをともに開発してきた中華人民共和国 四川大学のHong Zhang教授との共同研究。文部科学省「HPCI戦略プログラム」および「計算物質科学イニシアティブ」の助成を受けている。計算には筑波大学のT2Kスーパーコンピュータを利用し、計算の実行および解析は産総研が担当した。
研究概要について産総研は、「時間依存第一原理計算によりフェムト秒レーザを照射した後の酸化グラフェンの構造変化をシミュレーションすることにより、効率良く酸化グラフェンを還元してグラフェンを作製するのに適したレーザの波形を見出した。この還元方法は、化学物質を用いたり、高温で処理したりしない方法で、パルス幅の広い(~200 fs)フェムト秒レーザによる還元よりも、還元反応に伴う発熱を抑制できるため、グラフェンに欠陥が発生するリスクが少ない。したがって、この還元方法を応用すれば酸化グラフェンの印刷塗布によるグラフェン電極製造技術への貢献が期待される」と説明している。
研究成果の詳細は2012年1月17日に米国物理学会発行のPhysical Review Bにオンライン掲載。2012年2月15~17日に東京ビッグサイトで開催されるnano tech 2012第11回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議で発表される。
(詳細は、www.aist.go.jp)

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