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パルスレーザ照射による機能性高分子ナノワイヤ作製技術開発
December 26, 2011, つくば--物質・材料研究機構(NIMS) 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点は、パルスレーザを照射するだけでその領域にのみ選択的に高分子ナノワイヤを成長させ、さらにそのナノワイヤに各種ナノ材料をドーピングさせて様々な機能性を持たせることに世界で初めて成功した。
物質・材料研究機構(NIMS)、国際ナノアーキテクトニクス研究拠点・ナノエレクトロニクス材料ユニット、佐々木道子博士研究員、後藤 真宏主幹研究員の研究チームは、パルスレーザを照射するだけでその領域にのみ選択的に高分子ナノワイヤを成長させた。さらに、そのナノワイヤに各種ナノ材料をドーピングさせて様々な機能性を持たせることに成功した。これは従来の作製法では実現できなかった、世界初の技術であり、今後発展が期待されるナノデバイスの可能性を大きく広げる成果。
高分子ナノワイヤは、無機材料からなるナノワイヤ類と比べ、産業応用上重要な利点を持っている。柔軟性が非常に高く、光学的にも透明であることから、センサ、発光素子、光スイッチ素子などナノデバイスの新規分野へ幅広い応用が期待されているが、高分子ナノワイヤを用いたナノデバイスの実用化には解決できていない2つの課題があった。1つはサイズ、もう1つは新機能を持たせるためのさまざまな材料の添加。今回の研究では、従来の製作法とは全く異なり、レーザ照射のみという非常に簡単な方法で、この2つの課題を同時に解決した。
ナノデバイスが注目されるのは、サイズを極限まで小さくしたときに初めて発現される量子サイズ効果によって、従来のデバイスでは得られなかった新しい機能が得られることにある。量子サイズ効果を得るには、ナノワイヤ直径数十ナノメートル(nm)以下まで細線化する必要があるが、従来の作製法だった鋳型を用いると、直径数百nmという比較的太いものの作製が限界であった。また、この手法では強い薬剤により、鋳型をエッチング(溶解)して高分子ナノワイヤを取り出すため、薬剤によりダメージを受けない高分子しか材料に使えなかった。
今回、研究チームは鋳型を用いず、高度に制御されたレーザを材料の上に当てるだけで、照射位置にナノワイヤが伸びるように生成する全く新しい技術を世界に先駆けて開発。さらに、原料にさまざまな材料を添加し、生成されるナノワイヤにこれまで困難だったさまざまな機能を持たせることも可能にした。
今回、開発された機能性高分子ナノワイヤの作製手法は、必要とする任意の機能性ナノ材料と様々な高分子材料へ適用可能であるため、この方法で得られる機能性高分子材料は、今後、ますます発展が期待されるスマートフォンのフレキシブル基板の配線、小型化が求められている携帯機器アンテナにおけるフレキシブルな高透磁率材料としての実用化が期待される。
(詳細は、www.nims.go.jp)
物質・材料研究機構(NIMS)、国際ナノアーキテクトニクス研究拠点・ナノエレクトロニクス材料ユニット、佐々木道子博士研究員、後藤 真宏主幹研究員の研究チームは、パルスレーザを照射するだけでその領域にのみ選択的に高分子ナノワイヤを成長させた。さらに、そのナノワイヤに各種ナノ材料をドーピングさせて様々な機能性を持たせることに成功した。これは従来の作製法では実現できなかった、世界初の技術であり、今後発展が期待されるナノデバイスの可能性を大きく広げる成果。
高分子ナノワイヤは、無機材料からなるナノワイヤ類と比べ、産業応用上重要な利点を持っている。柔軟性が非常に高く、光学的にも透明であることから、センサ、発光素子、光スイッチ素子などナノデバイスの新規分野へ幅広い応用が期待されているが、高分子ナノワイヤを用いたナノデバイスの実用化には解決できていない2つの課題があった。1つはサイズ、もう1つは新機能を持たせるためのさまざまな材料の添加。今回の研究では、従来の製作法とは全く異なり、レーザ照射のみという非常に簡単な方法で、この2つの課題を同時に解決した。
ナノデバイスが注目されるのは、サイズを極限まで小さくしたときに初めて発現される量子サイズ効果によって、従来のデバイスでは得られなかった新しい機能が得られることにある。量子サイズ効果を得るには、ナノワイヤ直径数十ナノメートル(nm)以下まで細線化する必要があるが、従来の作製法だった鋳型を用いると、直径数百nmという比較的太いものの作製が限界であった。また、この手法では強い薬剤により、鋳型をエッチング(溶解)して高分子ナノワイヤを取り出すため、薬剤によりダメージを受けない高分子しか材料に使えなかった。
今回、研究チームは鋳型を用いず、高度に制御されたレーザを材料の上に当てるだけで、照射位置にナノワイヤが伸びるように生成する全く新しい技術を世界に先駆けて開発。さらに、原料にさまざまな材料を添加し、生成されるナノワイヤにこれまで困難だったさまざまな機能を持たせることも可能にした。
今回、開発された機能性高分子ナノワイヤの作製手法は、必要とする任意の機能性ナノ材料と様々な高分子材料へ適用可能であるため、この方法で得られる機能性高分子材料は、今後、ますます発展が期待されるスマートフォンのフレキシブル基板の配線、小型化が求められている携帯機器アンテナにおけるフレキシブルな高透磁率材料としての実用化が期待される。
(詳細は、www.nims.go.jp)