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国内初、新日鉄が6インチ口径SiC単結晶ウェハの開発に成功

December 9, 2011, 東京--新日本製鐵株式會社(新日鉄)は、技術開発本部先端技術研究所において、今後の高性能パワー半導体デバイスの量産・普及のキー材料である6インチ口径の炭化ケイ素(SiC)単結晶ウェハの開発に国内で初めて成功した。

・SiCウェハは低炭素社会を実現する革新的材料:SiCウェハは、現在、ダイオードやトランジスタなどの半導体デバイスの製造に用いられているシリコンウェハに比べ、デバイスでの電力変換損失を半分以下に抑えることができる。また耐電圧性や耐熱性にも優れるため、太陽光発電や自動車(EV/HEV等)など、高電圧・高温で使用されるパワーエレクトロニクス分野に適した材料。

・6インチ口径SiCウェハの効果:SiCデバイスの製造コスト低減と適用分野の拡大: 現在市販されている高品質SiCウェハは、3インチおよび4インチ口径が主流。これらのSiCウェハを前提とした半導体デバイスの開発・商品化が各半導体メーカーにより進められているが、デバイス生産の効率化および大電流・高電圧分野のSiCデバイスの開発・商品化に対するニーズが非常に強く、これらのニーズに対応する大口径のSiCウェハが求められていた。
SiCウェハの6インチ化により、現在、商品化されている家電用インバーター、IT用電源、太陽光発電用パワーコンディショナ向けのSiCデバイスの生産効率が向上し、デバイスの製造コストの低下が期待される。
また、6インチウェハの実現により、より大電流・高電圧を制御する大面積デバイスの製造が可能となり、自動車(EV/HEV等)、高速鉄道など、さらに広い分野にSiCデバイスを適用することが可能になる。
このため6インチSiCウェハは、これまで経済産業省国家プロジェクトにおいても、省エネ技術を基幹とする産業競争力強化を推進する次世代材料として研究開発が進められてきた。

・6インチ口径SiCウェハの開発:SiC単結晶は、通常、昇華再結晶法により製造される。この方法では、2500℃以上の超高温に加熱された製造装置中で、粉末状のSiC原料から昇華させた蒸気を、種結晶上に再結晶化させることによりSiC単結晶の成長を行う。新日鉄は、独自の昇華再結晶法により、2007年に高品質4インチウェハを実現し、量産化技術を確立。2009年度より新日鉄マテリアルズからSiCウェハを販売。
昇華再結晶法は超高温での化合物結晶成長であるため、プロセス制御が難しく、結晶口径の拡大に伴い、結晶欠陥や熱負荷による結晶割れが発生する傾向が大きくなることが課題だったが、新日鉄はこれらの問題を解決する研究開発を加速。数値シミュレーション技術をベースに、6インチ大口径化に適した超高温設備機構およびプロセス操業条件を開発し、大口径の結晶成長における結晶欠陥や結晶割れを抑制し、国内で初めて6インチの開発・製造に成功した。
新日鉄は今後、6インチウェハの量産化製造技術確立に向けた品質安定化および生産性向上技術開発、6インチSiCエピタキシャル膜製造技術開発を進める。

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