Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

November 14, 2011, Cardiff--欧州委員会(European Commission)が資金を提供する情報伝送垂直統合システム(VISIT)計画の研究者たちが、40Gbpsで動作するVCSELデバイスの高信頼性を実証した。IQEは、VISIT向けに最先端の半導体ウェハを製造している。
VISITはEUが資金を拠出する計画で、戦略的な、価値の高い光コンポーネントおよびサブシステムにフォーカスしている。狙いはスケーラブルで経済的なブロードバンドアクセスおよびLAN。2008年10月にスタートしたVISIT計画の主目的は、システムの実現を可能とする光トランスミッタの研究開発(R&D)とテストおよび利用展開。現状の技術との比較で、全く新しい設計で大幅に機能向上が得られることを目標としている。
IQEのCardiff工場で成長した材料をベースにした直接変調VCSELデバイスは、現行の短距離通信で一般的な波長850nmで動作する。
この新技術は、現在の銅線Ethernetシステムの速度を400倍、最新の光技術の速度を4倍に高速化する。VISITの研究者たちは、85℃ 30Gbps、25℃ 40Gbpsで動作するVCSELデバイスのデモンストレーションを行った。ビットエラーレートは10E-12で、「エラーフリー」と言われるレベル。
このVCSELデバイスは、20～100℃、6mA以下の動作で出力変動25μW/℃以下、電流特性に対する光出力直線域での優れた温度安定性を示した。ピーク出力は、マルチモード動作で8mW超、シングルモード動作で4mW、全てにおいて40℃まで微分スロープ効率70％を超えていた。
マルチモードVCSELデバイスの動作は、電流密度10kA/cm2以下で実証、これはデバイスの信頼性を決める重要要素。シングルモードVCSELの今一段の開発により大きな改善が期待される。
VISITチームは初の40Gbpsパッケージ化VCSELを作製。システムレベル光リンクテストおよび開発を容易にするためにOM3ファイバピグテール、高周波電気Vコネクタをつけている。
VISITの次の開発は、直接変調VCSELの最終的なベンチマーク、設計、信頼性や製造性を考慮したデバイス設計を含む工程の改良。また、光送信器サブアセンブリのパッケージングやテストでもさらなる改善を進めること。