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物質・材料研、最表面の“スピン”と“構造”の複合分析を実現
October 21, 2011, つくば--物質・材料研究機構(NIMS) 光・電子材料ユニットのセラミックス化学グループ 鈴木拓主幹研究員、菱田俊一グループリーダー、極限計測ユニットスピン計測グループ山内泰グループリーダーは、最表面(表面第一原子層)のスピン・元素組成・原子位置の複合分析に世界で初めて成功した。
電子は電荷に加え、スピンという磁石の様な性質を持っている。電荷とスピンの両方を利用するデバイスはスピントロニクスと呼ばれ、電荷だけを利用する現在のデバイス(エレクトロニクス)に比べて遥かに高い性能が期待されることから、現在、世界中でその開発が進められている。
スピントロニクス開発で鍵となるのは、最表面(表面第一原子層)の“スピン”と、元素組成や原子位置に関する“構造”の分析。このうち、スピンに関しては、最先端の分析技術を用いてもその分析は極めて困難であり、この解決がスピントロニクス開発での課題となっていた。
これに対し、“スピン偏極 4He+イオンビーム”と呼ばれる新しいイオンビームは、最表面のスピンとだけ相互作用すると考えられており、この相互作用を利用することで最表面のスピンと構造の複合分析が実現すると期待されている。研究グループは平成19年に、ビームの性能指標(ビーム偏極率)が世界最高であるスピン偏極 4He+イオンビームの開発に成功していたが、その複合分析の実現には、この相互作用(スピン軌道相互作用)の解明が課題となっていた。
今回の研究では、この新しいイオンビームを用いて偏極 4He+イオンと様々な原子を衝突させる実験を系統的に行い、得られた実験データの詳細な解析から理論モデルを構築し、この相互作用の解明に成功した。
これによって、比較的小型の装置で、手軽に、最表面のスピンと構造の複合分析が可能になったことから、今後、スピントロニクス開発の飛躍的な進展が期待される。
(研究成果は、Physical Review Lettersに掲載予定)
電子は電荷に加え、スピンという磁石の様な性質を持っている。電荷とスピンの両方を利用するデバイスはスピントロニクスと呼ばれ、電荷だけを利用する現在のデバイス(エレクトロニクス)に比べて遥かに高い性能が期待されることから、現在、世界中でその開発が進められている。
スピントロニクス開発で鍵となるのは、最表面(表面第一原子層)の“スピン”と、元素組成や原子位置に関する“構造”の分析。このうち、スピンに関しては、最先端の分析技術を用いてもその分析は極めて困難であり、この解決がスピントロニクス開発での課題となっていた。
これに対し、“スピン偏極 4He+イオンビーム”と呼ばれる新しいイオンビームは、最表面のスピンとだけ相互作用すると考えられており、この相互作用を利用することで最表面のスピンと構造の複合分析が実現すると期待されている。研究グループは平成19年に、ビームの性能指標(ビーム偏極率)が世界最高であるスピン偏極 4He+イオンビームの開発に成功していたが、その複合分析の実現には、この相互作用(スピン軌道相互作用)の解明が課題となっていた。
今回の研究では、この新しいイオンビームを用いて偏極 4He+イオンと様々な原子を衝突させる実験を系統的に行い、得られた実験データの詳細な解析から理論モデルを構築し、この相互作用の解明に成功した。
これによって、比較的小型の装置で、手軽に、最表面のスピンと構造の複合分析が可能になったことから、今後、スピントロニクス開発の飛躍的な進展が期待される。
(研究成果は、Physical Review Lettersに掲載予定)