Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

October 13, 2011, Mountain View--ストラテジーズ・アンリミテッド(Strategies Unlimited)は、「高輝度LED市場レビューおよび予測―2011」を発表した。
それによると、TVバックライトアプリケーションに牽引されて2010年HB-LED販売額は108％成長を記録した。しかし、この成長は落ち着きつつあると同レポートは見ている。その理由として、供給の拡大と2011年のTV需要全般の減速によりLED価格が大きく落ち込んでいることを挙げている。
特殊用途(ヘッドランプなど)を除けば、最近のLED価格は20～40％落ち込んだ。そのため、ストラテジーズ・アンリミテッドは、2011年のHB-LED販売額を123億ドルに下方修正し、成長率は前年比でわずか9.8％になると予測している。
同社の予測によると、この調整により弱い企業/新規参入のLEDメーカーは市場から撤退する。例えば、2010年に市場参入した多くの中国メーカーは市場から撤退し、中国では統合が進む。LEDは益々コモディティ化するので、強力なメーカーだけがこの市場変動で生き残る、と同社は予測している。
市場規模は2014年にピークを迎え、162億ドルとなる。2015年には153億ドルに下降。しかし、HB-LEDの採用(予測では2015年)が原動力となって照明が優位に立つと、市場は再び成長に転ずる。
LED価格下落は、LEDの普及を後押しし、特に照明分野では、LEDはBOM(bill of materials)の約30％を占めるようになる。例えば、高品質、量産1WクールホワイトのパッケージLEDは、2011年の取引価格は0.65ドルだった。この予測期間で、照明用LEDの売上ベースCAGRは33％となる見込みだ。
世界のサイネージ業界は、2010年の爆発的な成長で34億ドル規模に達した。これには54％成長、19億ドルに達した中国国内市場も含まれており、中国市場は2015年までCAGR 14％で成長していくと予測されている。看板用LEDの市場規模は2010年に11億ドルだったが、2015年には16億ドルに達する。2010年、世界の看板の約83％は中国で生産されたが、中国で生産するというトレンドは今後も継続する。
モバイル機器用のLEDの販売額は、2010-2015年の予測期間で下降していくとストラテジーズ・アンリミテッドは予測している。ただし、デバイスの普及は急速に進む(スマートフォンは年平均30％、タブレットは同57％で伸びていく)。ほとんどのモバイルアプライアンス(高機能携帯端末やノートブック)は飽和に達しており、価格抑制によって年率4.1％でLED売上が落ちていく(唯一のマイナス成長セグメント)。
LEDの自動車アプリケーションは2010年に11億ドルの市場を形成したが、これは主に中国ベースの成長。しかし、2011年には中国が冷え込み、日本のツナミがサプライチェーンを破壊したために、2011年のこの分野の成長は下方修正され、5％となった。しかし、日中走行用ライト(DRL)やヘッドライトの使用増により、自動車の外部照明用LEDの販売は年平均成長10％となる。対照的に、機器パネルのLEDは価格下落と飽和(2015年で90％)により、このセグメントの売上は予測期間で2％減となる見込みだ。