Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

October 5, 2011, OAK RIDGE--オークリッジ国立研究所(ORNL)の研究者が発見した材料は水晶圧電素子やセラミックの10倍の圧電効果を持ち、数百回の日常使用が可能。
ORNLのVolker Urban氏とその研究チームは、ドイツ、アーヒェン大学でポリマの基本研究をしている際に、逆圧電効果、電圧をかけると生ずる機械歪を発見した。最初、研究者たちは古典的な圧電材料の観察とは考えなかったが、次第に興味がわいてきたと言う。
「観察した結果を古典的な圧電材料と比較してみようと考えた。比較すると、その効果の大きさに驚いた」とエネルギー学部の研究所、中性子散乱科学科のUrban氏はコメントしている。
これまで研究者たちは、非伝導材料だけに起こる圧電効果が、非極性ポリマに起こるとは考えていなかった。今回の研究では、これまで最も強力な圧電材料として知られていた水晶やセラミックと比較して10倍の電気活性反応があることが明らかになった。
分子構造の温度依存性を調べた結果、見慣れないブロックとラバーの弾性復元力との間に反発力の複雑なバランスが明らかになった。
Urban氏は、異常に大きな反応によって電気活性デバイスの場が激変することがあり得る、と見る。「究極的に、この発見が何に帰着するかは分からないが、ポリマ科学に根本的に新しい視点をもたらすことは言えるだろう」(同氏)。
(詳細は、論文"Piezoelectric Properties of Non-Polar Block Copolymers,"Advanced Materials)