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UCLA研究チーム、レンズの代わりにホログラムを使用する顕微鏡開発

September 5, 2011, Los Angeles--カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)の研究者たちが、レンズの代わりにホログラムを使用するコンパクト、軽量、デュアルモード顕微鏡を開発した。
プロトタイプの重量は中程度のバナナと同等で、片手に収まる大きさ。顕微鏡は、一部に量産家電パーツを使用しているので、材料費は50~100ドル。特徴は伝送モードと反射モードの2 in 1。両モードの空間分解能は2µm以下で、低~中パワーレンズを備えた大型顕微鏡に匹敵。
このハンドヘルド顕微鏡は、水質検査、患者の血液の有害バクテリア検査に役立つ。また、動物農場の精液品質モニタにも使える。ほとんどの顕微鏡は集光してフォーカスさせるために、大きくて重い、しかも高価な部品であるレンズを用いている。この顕微鏡ではレンズの代わりにホログラムを用いる。ホログラムは、3D物体から跳ね返ってくる光が参照ビーム、つまり対象物に当たらない光と干渉することで形成される。 
アナロジーとしては、次のように考えることができる。石を静かな池に落とすとさざ波が円形に広がっていく。2つの石を落とすと、その円形のさざ波は相互干渉し、新しい山と谷のパタンを形成する。これら2つの石によって生じた干渉パタンを解析すると、その源泉である2つの石まで遡って、これらの波を作るために何が起こっていたかを再現することができる。
UCLAチームのデバイスは同様の原理を使って干渉する光の波から像を再現する。
安価な光源を2つのビームに分け、1つは試料の微小細胞、粒子と相互作用するが、もう1つのビームは相互作用しない。次にこれらのビームは隣接のセンサチップに移動し、そこで干渉パタンが記録される。続いてソフトウエアがそのパタンを解析し、光パスが再現される。
Ozcan氏によると、デバイスの各コンポーネントは極めて安価。レーザ光は5ドルのレーザポインタのものを使用。センサチップは、iPhoneやブラックベリの後に付いているものと同じで、15ドル。画像収集システム全体は2個のAAバッテリで動く。
研究者たちはレンズを取り払うことで重量と価格を抑制し、クラウドパワーを加えた。顕微鏡は生のデータを捉えるが、コンピュータには像を再構成することを求められる。フィールド作業者はラップトップを使って情報処理を行い、それをインターネット経由あるいはモバイル電話ネットワークでリモートサーバに送る。モバイル電話でも、その場で解析できるだけの十分な処理能力を持っているものもある。Ozcan氏は、「われわれは高価でかさばる、重いコンポーネントをコンピュータコードで置き換えようとしている」と言う。
(詳細は、Paper: "Field-portable reflection and transmission microscopy based on lensless holography," M. Lee, O. Yaglidere, A. Ozcan, Biomedical Optics Express, Volume 2, Issue 9, p. 2721-2730.)

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