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エナジーハーベスティング用色素増感太陽電池モジュール開発

February 17, 2011, 東京--フジクラは、屋内環境中の光エネルギーを利用するエナジーハーベスティング用途に向けた低照度用色素増感太陽電池モジュールを開発した。
色素増感太陽電池は、現在市販されている太陽電池とは原理が異なり、植物の光合成に似た電気化学反応を利用して発電する、新しいタイプの太陽電池。この太陽電池は、比較的安価な材料のみで製造できるため、将来的には太陽電池の価格を現在の半分以下にできると期待されている。フジクラは、この色素増感太陽電池の研究開発を続けてきており、屋外用モジュールの耐久性向上技術では、効率8%のサブモジュールにて温度85℃・ 湿度85%という過酷環境下での1000時間性能劣化なしという条件を世界で初めて達成している。
この色素増感太陽電池は、屋外太陽光での効率はSi型などの既存の太陽電池に及ばないが、屋内での光源に対してではSi型の効率は低下するが、色素増感型では向上するため、同等以上の効率達成が可能。フジクラは、従来の太陽電池が苦手とする室内環境(500lux以下)に適する太陽電池として、低照度用色素増感太陽電池モジュールを開発した。
モジュール開発では、低照度に合わせたフジクラ独自の材料選択により効率を更に向上させ、高い信頼性を持つ封止技術を用いることで十分な長期安定性を確立した。
この色素増感太陽電池モジュールは、一般的な蛍光灯下である200lux程度では、5センチ角となる25cm2程度の面積で210μWの出力が得られ、他種で低光量に強いアモルファスシリコン型の太陽電池よりも1.3倍以上多い出力となる。
また、かなり明るい環境である3000lux程度の蛍光灯下では1cm2あたりで120μWの出力が得られ、これまでに報告されている低照度向け色素増感太陽電池モジュールよりも、大幅に高い出力を達成した。
逆に、非常に暗めの屋内環境となる10lux程度の光量でも100cm2サイズで30μW程度の出力が得られるため、ごく暗い環境下でもその光エネルギーを用いたセンサの電源などへの利用が可能となる。
色素増感太陽電池では、入射光量に合わせた部材を用いることで、光エネルギーをより効率的に電気へ変換することが可能。フジクラは、ユーザの使用環境に合わせた最適なモジュールを提案することで、色素増感太陽電池モジュールの屋内環境での利用可能性を広げていく考えだ。製品サンプルの提供は、2011年度に予定されている。

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