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NICT、世界最高性能基準光源を開発
November 16, 2010, 東京--情報通信研究機構(NICT)は、国立天文台(NAOJ)と共同で世界最高の安定度と精度を持ち、しかも高速な基準光源の開発に成功した。
開発した基準光源は、20GHz〜120GHzまでの極めて広い周波数範囲の高速信号を、高精度を確保しながら安定して発生させることが可能。この性能は、日米欧の国際協力で建設が進むアルマ電波望遠鏡(アルマ)の厳しい条件を十分満たしており、その心臓部分として機能する基準信号源として利用される予定。また、大容量通信を支える高速光デバイスの精密測定への応用も進めている。
光を使った高速通信が身近になり、通信システムはもとより様々な分野において高速光信号の利用が進んでいる。複数のアンテナを連動させる電波望遠鏡もその1つ。アルマでは最大18.5km離れた66台のアンテナを連動させるために、各アンテナで受信された信号のタイミング(位相)を精密にあわせて合成する必要がある。これを実現するために周波数100GHz超の高速基準信号を、乱れが30万年に1秒以下という安定性で長距離を伝える必要があり、基準信号源の高い位相安定度がきわめて重要で、基になる信号は原子時計で作られる。従来の銅線や導波管では離れたアンテナへの高速信号の伝送が困難なため、アルマでは高速信号を光にのせて伝えるファイバ無線技術を利用する。アルマの性能確保のために要求される安定性、周波数の範囲、精度の高さを実現する新たな光信号発生・伝送技術が必要とされていた。
NICTとNAOJは、NICT独自の高消光比変調技術を利用し、精度を保ったまま周波数範囲を拡大する構成を提案し、NAOJの安定度向上技術による制御機能を組み合わせて、世界最高性能の基準信号発生装置を共同開発し、100GHzを超える高速信号の長距離伝送を実現した。この装置の方式により、従来技術の課題であった安定性、周波数範囲、精度の問題を解決。安定性は2台のレーザを用いる従来方式に比べて10倍以上を実現し、信号の乱れを30万年に1秒以下とすることに成功。また、精度は従来型変調器と比較し1000倍以上、周波数範囲は4倍を達成した。装置は、周波数20GHzから120GHzまでの広範囲においてアルマの性能確保に必須とされる条件を満たすもので、既に商品化されている光FSK変調器をベースとしており、極めて実用性が高い。また、基準光源を用いた光通信デバイス高精度評価装置の開発もあわせて成功した。
今後、アルマ現地での長期安定動作確保のために自動制御システムの開発を継続して行う予定。さらに高速光デバイス高精度測定用基準光源としての実用化を目指し、計測技術としての国際標準化活動をIECTC103にて推進する。
開発した基準光源は、20GHz〜120GHzまでの極めて広い周波数範囲の高速信号を、高精度を確保しながら安定して発生させることが可能。この性能は、日米欧の国際協力で建設が進むアルマ電波望遠鏡(アルマ)の厳しい条件を十分満たしており、その心臓部分として機能する基準信号源として利用される予定。また、大容量通信を支える高速光デバイスの精密測定への応用も進めている。
光を使った高速通信が身近になり、通信システムはもとより様々な分野において高速光信号の利用が進んでいる。複数のアンテナを連動させる電波望遠鏡もその1つ。アルマでは最大18.5km離れた66台のアンテナを連動させるために、各アンテナで受信された信号のタイミング(位相)を精密にあわせて合成する必要がある。これを実現するために周波数100GHz超の高速基準信号を、乱れが30万年に1秒以下という安定性で長距離を伝える必要があり、基準信号源の高い位相安定度がきわめて重要で、基になる信号は原子時計で作られる。従来の銅線や導波管では離れたアンテナへの高速信号の伝送が困難なため、アルマでは高速信号を光にのせて伝えるファイバ無線技術を利用する。アルマの性能確保のために要求される安定性、周波数の範囲、精度の高さを実現する新たな光信号発生・伝送技術が必要とされていた。
NICTとNAOJは、NICT独自の高消光比変調技術を利用し、精度を保ったまま周波数範囲を拡大する構成を提案し、NAOJの安定度向上技術による制御機能を組み合わせて、世界最高性能の基準信号発生装置を共同開発し、100GHzを超える高速信号の長距離伝送を実現した。この装置の方式により、従来技術の課題であった安定性、周波数範囲、精度の問題を解決。安定性は2台のレーザを用いる従来方式に比べて10倍以上を実現し、信号の乱れを30万年に1秒以下とすることに成功。また、精度は従来型変調器と比較し1000倍以上、周波数範囲は4倍を達成した。装置は、周波数20GHzから120GHzまでの広範囲においてアルマの性能確保に必須とされる条件を満たすもので、既に商品化されている光FSK変調器をベースとしており、極めて実用性が高い。また、基準光源を用いた光通信デバイス高精度評価装置の開発もあわせて成功した。
今後、アルマ現地での長期安定動作確保のために自動制御システムの開発を継続して行う予定。さらに高速光デバイス高精度測定用基準光源としての実用化を目指し、計測技術としての国際標準化活動をIECTC103にて推進する。