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富士通研、光スイッチの消費電力を従来の2分の1に低減
November 12, 2010, 東京--富士通研究所は、シリコンフォトニクス技術を適用した導波路型光スイッチについて、世界で初めてシリコンゲルマニウム(SiGe)細線構造を用いることで、従来のシリコン(Si)細線構造に比べて、消費電力を約2分の1に低減することに成功した。幅広い波長に対応して高速に動作できるタイプの光スイッチ素子としては、世界最小の消費電力を実現している。
ネットワークの通信量は年々増え続けており、それにつれてネットワーク機器の電力消費も増加する傾向にあるため、将来深刻なエネルギー問題となることが懸念されている。この技術を利用することで、電力消費を抑えつつ、今後の大容量ネットワーク通信にも対応することができる。これにより、複数のクラウドを連携させた高度なサービスや、超高精細映像配信を用いたテレビ会議などのサービスの提供が可能となる。
従来はネットワークの経路の切り替えのために、光→電気→光(OEO)の信号処理を行う必要があったが、光信号と電気信号を変換する際に消費電力が大きいことが課題だった。そのため、光信号のまま経路を切り替えることが可能な光スイッチを用いて消費電力を大幅に低減できる次世代ネットワークの研究開発が進められている。
光スイッチは、光通信の経路をつなぎかえる装置。導波路型光スイッチは、光信号の入力部と出力部の間に多数の光スイッチ素子を並べた構成になっており、それぞれの光スイッチ素子の動作状態の組み合わせによって、任意の光信号の経路をつくることができる。
シリコンフォトニクス技術を用いた導波路型光スイッチは、すでに普及しているシリコン半導体製造技術を利用するもので、大量生産による低価格化が可能。また、ナノメートルサイズの導波路からなる小型な光スイッチ素子と制御電子回路を同一基板上に多数並べて作製できるため、大規模な光スイッチを「数cm×数cm」と小型で作成することができる。
大規模な導波路型光スイッチでは、多数の光スイッチ素子を同時に動作させる。その際の発熱は装置の特性を劣化させる原因となるため、個々の光スイッチ素子の消費電力をできるだけ小さくすることが必要となる。
光スイッチ素子では、屈折率変調部に電流を印加し、細線導波路に電子を蓄積することで屈折率を変調し、出力するポートを切り替える。Si細線で構成されている従来の光スイッチ素子は、Si細線導波路に電子を蓄積する効率が低く、蓄積するためには多量の電流を必要としたため、消費電力が大きいという問題があった。
富士通研は、世界で初めて屈折率変調部にSiGe細線構造を導入した光スイッチ素子を開発した。Si上にSiよりもバンドギャップの小さいSiGe細線を形成することで効果的に電子を蓄積することができるようになり、低電力でのスイッチングが可能になる。
試作した光スイッチ素子の消費電力は1.5mWとなり、従来のSi細線構造を導入した光スイッチ素子の消費電力と比較して約2分の1に低減した。幅広い波長に対応して高速に動作できるタイプの光スイッチ素子としては、世界最小の消費電力を実現している。
今回開発した光スイッチ素子の低電力化技術により、次世代ネットワークの実現を大きく前進させることが可能となる。これにより、複数のクラウドを連携させる高度なサービスや、超高精細映像配信を利用したテレビ会議のような新しいサービスの提供が期待される。
富士通研は、今後、大規模集積化技術と電子駆動回路の集積技術の開発を進め、次世代ネットワークの実現を可能とする大規模光スイッチの実現を目指している。
ネットワークの通信量は年々増え続けており、それにつれてネットワーク機器の電力消費も増加する傾向にあるため、将来深刻なエネルギー問題となることが懸念されている。この技術を利用することで、電力消費を抑えつつ、今後の大容量ネットワーク通信にも対応することができる。これにより、複数のクラウドを連携させた高度なサービスや、超高精細映像配信を用いたテレビ会議などのサービスの提供が可能となる。
従来はネットワークの経路の切り替えのために、光→電気→光(OEO)の信号処理を行う必要があったが、光信号と電気信号を変換する際に消費電力が大きいことが課題だった。そのため、光信号のまま経路を切り替えることが可能な光スイッチを用いて消費電力を大幅に低減できる次世代ネットワークの研究開発が進められている。
光スイッチは、光通信の経路をつなぎかえる装置。導波路型光スイッチは、光信号の入力部と出力部の間に多数の光スイッチ素子を並べた構成になっており、それぞれの光スイッチ素子の動作状態の組み合わせによって、任意の光信号の経路をつくることができる。
シリコンフォトニクス技術を用いた導波路型光スイッチは、すでに普及しているシリコン半導体製造技術を利用するもので、大量生産による低価格化が可能。また、ナノメートルサイズの導波路からなる小型な光スイッチ素子と制御電子回路を同一基板上に多数並べて作製できるため、大規模な光スイッチを「数cm×数cm」と小型で作成することができる。
大規模な導波路型光スイッチでは、多数の光スイッチ素子を同時に動作させる。その際の発熱は装置の特性を劣化させる原因となるため、個々の光スイッチ素子の消費電力をできるだけ小さくすることが必要となる。
光スイッチ素子では、屈折率変調部に電流を印加し、細線導波路に電子を蓄積することで屈折率を変調し、出力するポートを切り替える。Si細線で構成されている従来の光スイッチ素子は、Si細線導波路に電子を蓄積する効率が低く、蓄積するためには多量の電流を必要としたため、消費電力が大きいという問題があった。
富士通研は、世界で初めて屈折率変調部にSiGe細線構造を導入した光スイッチ素子を開発した。Si上にSiよりもバンドギャップの小さいSiGe細線を形成することで効果的に電子を蓄積することができるようになり、低電力でのスイッチングが可能になる。
試作した光スイッチ素子の消費電力は1.5mWとなり、従来のSi細線構造を導入した光スイッチ素子の消費電力と比較して約2分の1に低減した。幅広い波長に対応して高速に動作できるタイプの光スイッチ素子としては、世界最小の消費電力を実現している。
今回開発した光スイッチ素子の低電力化技術により、次世代ネットワークの実現を大きく前進させることが可能となる。これにより、複数のクラウドを連携させる高度なサービスや、超高精細映像配信を利用したテレビ会議のような新しいサービスの提供が期待される。
富士通研は、今後、大規模集積化技術と電子駆動回路の集積技術の開発を進め、次世代ネットワークの実現を可能とする大規模光スイッチの実現を目指している。