Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

November 5, 2010, Cambridge--ジェアン(GEANT)、汎ヨーロッパ研究・教育ネットワークは、主要ルートを100Gbps容量にアップグレードして、ユーザのデータ共有を高速化し、すべての人に利益がある重要プロジェクトの協働をより効果的にする。ヨーロッパ中の研究者は、今回発表された新しい高速ネットワークリンクにより、情報交換の高速化の恩恵を受けることになる。
　100Gbpsでは、デュアルレイヤBluRayディスクのコンテンツ全体が、わずか4秒でネットワークを伝送できる。
　GEANTは、2000年11月、10年前の今週にスタートした。DANTEがヨーロッパの国家研究・教育ネットワーク(NRENs)のために構築して運用しているGEANTは、ナショナルネットワークを接続してヨーロッパの研究コミュニティに、広帯域で先進的なユーザフォーカスのサービスを組み合わせて提供している。
　10倍の速度アップグレードは、ヨーロッパの研究者からの急増する容量要求に応えたものだ。これは、新規のプロジェクト、仕事の仕方の変化、ユーザ数の増加が合わさって起こった容量ニーズだ。
　「GEANTは、2000年にスタートして以来、研究のやり方を変え、ヨーロッパ全体と世界との協力関係を促進し、可能にした」とDANTEのジェネラルマネージャ、Matthew Scott氏はコメントしている。「しかし、われわれの予測では、新規の大きな科学実験や新しい共同研究がデータの爆発を招き、それへの対処が必要になる。新しい100Gbps接続は、最先端のハイブリッドネットワークをベースにしたものであり、このユーザコミュニティの4000万の研究者や学生が、将来的に必要とするようになる容量やサービスを確実に利用できるようにするものだ。」
　次の10年で、Square Kilometre Array(SKA)電波望遠鏡やITER核融合実験を含む大きな新規のプロジェクトが予定されている。これらは、Large Hadron Colliderなどの他の大きな研究プロジェクトと併せて、ヨーロッパおよび世界中の科学者が生み出す膨大なデータ量を共有するために、広帯域、リアルタイム接続を必要とする。さらに、遺伝学や気象の変化といった分野における規模の大きな共同研究は中央の共有情報データベースへのアクセスを増やし、ネットワークトラフィックの飛躍的な増加となる。
　新しい100Gbps接続は、GEANTの12000kmの既存光ファイバリンクを利用する。100Gbpsリンクを実現するための装置の調達は2011年早期に始まり、2012年半ばまでには実装完了となる予定。現在、GEANTネットワークの大部分の接続は最小容量が10Gbps、トラフィックの多いルートは最近導入したばかりの40Gbpsリンクとなっている。