Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

October 21, 2010, 東京/ニューヨーク--ソーラーフロンティア（Solar Frontier）は、IBMコーポレーションとCZTS（CZTS：Copper, Zinc, Tin,Sulfur, Selenium〔銅、亜鉛、スズ、硫黄、セレン〕）薄膜太陽電池セルの共同研究を行うことで合意した。
　この合意に基づき両社は、IBMがこの分野で培ってきた画期的な技術をさらに進化させることを目標にしている。
IBMは、CZTSを用いた太陽電池セルとしては記録的な9.6％の変換効率を達成したと、今年2月に発表している。このIBMの画期的な研究成果とソーラーフロンティアの薄膜生成技術、製造技術を協働させることで、レアメタルを使用せず入手が容易かつ安価な材料を用い、価格競争力に優れた太陽電池技術を開発することを目指している。また、ソーラーフロンティアと同様に、台湾のDelSolar社（DelSolar）も、この技術開発分野でIBMとパートナー関係を結んでおり、日本、アメリカ、台湾というグローバルな協業を通じてCZTS薄膜太陽電池技術の進化が期待できる。
　ソーラーフロンティアは、IBMとの提携に至る経緯について、「銅・インジウム・セレン・ガリウム・硫黄を主成分としたCIS薄膜系太陽電池において世界に先駆けて技術開発を進めてきたが、CIS技術の延長上にあるCZTS技術の高い互換性にも関心を寄せるに至った。IBMとの共同研究は、経済的で環境に優しい太陽光発電を社会に提供するという当社の方針に合致する」と説明している。CZTS太陽電池技術は、CIS同様に毒性物質を用いないことに加え、入手し易く安価な材料を主としていることから、その特性により、温室効果ガスや二酸化炭素排出を伴う化石燃料を用いた電力を下回るコストを目指すことも可能。
　ソーラーフロンティア株式会社は昭和シェル石油株式会社の100％子会社。