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量子鍵配送を用いたワンタイムパッド携帯電話ソフトウェアを開発

September 3, 2010, 東京--三菱電機と情報通信研究機構(NICT)は、量子鍵配送を用いることにより、携帯電話端末(端末)間の通話の盗聴が不可能なことを物理学的に保証した、ワンタイムパッド携帯電話ソフトウェアを開発した。
 光回線を使い量子鍵配送で2者間に暗号鍵を配り、通話者はそれぞれの量子鍵配送装置から携帯電話に暗号鍵をダウンロードして暗号通信を行う。通話の暗号化に用いる暗号鍵は使い捨てにすることにより、万一端末を紛失したり盗難されたりした場合でも、過去の通話記録を解読されない。
開発成果
1.量子鍵配送を用いて暗号鍵を共有、ワンタイムパッド暗号により音声を暗号化、解読不可能な通話を実現
通話を暗号化するための暗号鍵の共有を、量子鍵配送を用いて実現。量子鍵配送は盗聴を即座に検知することが可能であり、物理学の基本法則により乱数を安全に共有できることが保証されている。暗号化には量子鍵配送で共有した乱数を暗号鍵として使用する。また、暗号鍵には暗号化する前のデータと同じ長さの鍵を使用し、さらに一度使った暗号鍵を二度と使わないワンタイムパッド暗号方式を用いており、通話音声を暗号化する機能を、端末上で動作するソフトウェアとして開発した。
2.暗号鍵を使用後すぐに消去することにより端末の紛失・盗難に対するリスクを回避
暗号鍵は、使用後ただちに端末から消去するようにした。したがって、端末間の区間で通話を記録されていた場合でも、暗号鍵は残っていないため、過去の会話を解読される心配がない。
三菱とNICTは、「今後3〜5年後を目処に、本ワンタイムパッド携帯電話ソフトウェアの実用化を目指す」としている。
 成果の詳細内容は、2010年10月18日(月)〜20(水)にANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催されるNICT 他主催の量子暗号・量子通信国際会議UQCC2010においてデモ展示する予定。

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