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ハーバードとリーズ大の研究者が高指向性テラヘルツレーザ光を実現

August 23, 2010, ハーバード--ハーバード大学とリーズ大学(University of Leeds)の研究者が、従来のテラヘルツレーザ光源と比べて遙かに発散が少ないビームを出射する新しいテラヘルツ半導体レーザを実現した。
 この成果は、テラヘルツ科学や技術の幅広いアプリケーションに道を開くことになる。ハーバードは、この発明に関する幅広い特許を申請した。
 この発明には、博士研究員Nanfang Yu, Federico CapassoとRobert L. Wallace教授とリーズ大学のEdmund Linfieldチームが取り組んだ。
 テラヘルツ光は、紙、衣服、プラスチック、その他多くの材利用を効果的に透過するので、隠された武器や生物兵器を見つけたり、副作用なく腫瘍を画像化したり、材料内の亀裂など、欠陥を特定したりするには理想的な手段。テラヘルツ照射は、星間化学物質の微小集合の高感度検知にも使用される。
 Capasso氏は、現在のテラヘルツ光源の問題点について、「現状のTHz半導体レーザは、ランプから発せられる光のようにビームが広がるため、これらのアプリケーションの多くに適さない」と指摘する。「レーザ端面に人工的に光構造を作製することで、デバイスから高度にコリメートされたテラヘルツ光を発生させることができた。これにより、従来の高価で大きなレンズを用いることなく、効率よくパワーを集光させることができる。」
 研究者たちは、量子カスケードレーザ端面に直接、メタマテリアルと言われる、波長以下の幅の溝をアレイ状に掘った。デバイスは、遠赤外領域3THzで発振。メタマテリアル、人工的な材料を利用して自然界では容易に手に入らないような特性を実現したことが、研究者たちの成功の秘訣だった。メタマテリアルは、被覆、負の屈折、高解像度イメージングなどの新しいアプリケーションに使える可能性があるが、これまで半導体デバイスで使用されることは極めてまれだった。
 Yu氏によると、メタマテリアルはここでは2つの機能を果たしている。デバイスから出るTHz光をレーザ端面に集中させて、そのビームをコリメートする。メタマテリアルがテラヘルツ波を端面に強く収集することができるので、センシングやTHz光回路などのアプリケーション用途でTHz光を効率よく操作することが可能になる。
(詳細は、Nature Materials/ www.harvardscience.harvard.edu)

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