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NICT、世界最高性能マルチチャンネル超伝導単一光子検出システム開発

August 2, 2010, 東京--独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は、量子情報通信技術を支えるコア技術として、高検出効率のマルチチャンネル超伝導単一光子検出器(SSPD)システムの開発に成功し、1550nm通信波長帯において、市販されている半導体アバランシェ・フォトダイオード(APD)の性能を遙かに凌駕する世界最高性能(検出効率20%、動作速度100MHz、暗計数率100Hz)を達成した。
 開発したシステムは、最大6チャンネルを搭載すると共に、100Vの家庭用電源で駆動可能な小型冷凍機により構成され、小型化と低消費電力性の実現によって、実用化に向けて大きく前進した。
 今回開発したマルチチャンネル超伝導単一光子検出システムは、2年前のNICT開発のシステムに比べて検出効率が7倍、動作速度が2倍に向上。トータル性能として半導体APDを100倍凌駕した。
1. 検出効率の向上:積層薄膜により構成された光キャビティを用いた新しい検出素子(図2)を開発し、単層薄膜素子より7倍以上の検出効率の向上を実現。
2. 動作速度の向上:レンズ付き光ファイバを用いることによって、より小さい受光面積をもつ検出素子への集光が可能となり、動作速度を2倍向上。
3. システムの小型化:システム設計の最適化によって、従来のNICT開発の検出システムに比べ2/3まで小型化。
今後の展開についてNICTは、「デバイスの改良とシステムの最適化を図り、さらなる高性能化(検出効率40%、動作速度1GHz)を実現することによって量子暗号システムへの実用化を目指す」としている。
(詳細は、Optics Letters, Vol. 35 Issue 13, pp.2133-2135 (2010))。

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