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パナソニック、室温でテラヘルツ波検出するGaNトランジスタ開発
June 28, 2010, 長岡京--パナソニック株式会社 セミコンダクター社は、世界最高感度のテラヘルツ波検出用窒化ガリウム(GaN)トランジスタを開発した。従来比二桁以上の感度向上を実現し、これまで困難であった室温でのテラヘルツ波検出が可能となる。これにより、セキュリティカメラ、材料分析装置をはじめ様々な機器の簡素化が可能となり、テラヘルツ波の幅広い普及が期待できる。
今回開発したトランジスタは、テラヘルツ波をトランジスタ内でプラズマ波へ変換することで電気信号として検知する。GaN材料を用いることにより、プラズマ波の振幅を大きくして、取り出せる信号強度を増大させた。さらに、トランジスタの電極をアンテナとして用いることで付加アンテナが不要となり、伝搬損失を無くした。これにより、実用上十分なテラヘルツ波検出感度を実現した。
今回開発したテラヘルツ検出用GaNトランジスタは、従来のガリウム砒素(GaAs)トランジスタに比べて、高いテラヘルツ波検出感度 1100V/W(従来比 二桁以上)、室温動作可能(従来 室温での感度が取れない)が特長。
高感度化を実現する新規技術開発は次の3点。
1. 無給電アンテナ構造による伝搬損失のゼロ化:トランジスタのソース/ドレイン電極を無給電アンテナとして動作するように設計し、入射テラヘルツ波をゲート電極近傍に強く集めることに成功。ゲート電極自身をアンテナとして機能させることで付加アンテナを削除でき、感度低下の原因となるアンテナからの伝搬損失を無くした。
2. GaN材料の採用によりプラズマ波変換効率を向上: GaNは飽和電子速度が大きく、プラズマ波(電子の疎密波)を高速に発生させることができる。また、ゲート長を短くすることによりこの疎密波の周波数をテラヘルツ波に同期させることで、電子の疎密波が瞬時に大振幅化する。これにより、高効率にテラヘルツ波を電気信号に変換できる。
3. MOS構造によりプラズマ波漏洩を大幅抑制: トランジスタ内に発生したプラズマ波は、ゲート電極での漏れ電流により減衰する。この漏れ電流を抑制するため、ゲートに電子障壁の高い酸化アルミニウム絶縁膜を形成したMOS(メタル オキサイド セミコンダクタ)構造を用いた。
(詳細は、http://panasonic.co.jp)
今回開発したトランジスタは、テラヘルツ波をトランジスタ内でプラズマ波へ変換することで電気信号として検知する。GaN材料を用いることにより、プラズマ波の振幅を大きくして、取り出せる信号強度を増大させた。さらに、トランジスタの電極をアンテナとして用いることで付加アンテナが不要となり、伝搬損失を無くした。これにより、実用上十分なテラヘルツ波検出感度を実現した。
今回開発したテラヘルツ検出用GaNトランジスタは、従来のガリウム砒素(GaAs)トランジスタに比べて、高いテラヘルツ波検出感度 1100V/W(従来比 二桁以上)、室温動作可能(従来 室温での感度が取れない)が特長。
高感度化を実現する新規技術開発は次の3点。
1. 無給電アンテナ構造による伝搬損失のゼロ化:トランジスタのソース/ドレイン電極を無給電アンテナとして動作するように設計し、入射テラヘルツ波をゲート電極近傍に強く集めることに成功。ゲート電極自身をアンテナとして機能させることで付加アンテナを削除でき、感度低下の原因となるアンテナからの伝搬損失を無くした。
2. GaN材料の採用によりプラズマ波変換効率を向上: GaNは飽和電子速度が大きく、プラズマ波(電子の疎密波)を高速に発生させることができる。また、ゲート長を短くすることによりこの疎密波の周波数をテラヘルツ波に同期させることで、電子の疎密波が瞬時に大振幅化する。これにより、高効率にテラヘルツ波を電気信号に変換できる。
3. MOS構造によりプラズマ波漏洩を大幅抑制: トランジスタ内に発生したプラズマ波は、ゲート電極での漏れ電流により減衰する。この漏れ電流を抑制するため、ゲートに電子障壁の高い酸化アルミニウム絶縁膜を形成したMOS(メタル オキサイド セミコンダクタ)構造を用いた。
(詳細は、http://panasonic.co.jp)