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量子コンピューティングへの一歩

April 26, 2010, Cardiff--物理学と天文学の研究チームが光子を半導体材料の小さなタワーに撃ち込んだ。フォトンはタワーの小さな構造内に閉じ込められた電子と衝突し、再びフォトンが出現するまで、両者は光と物質の状態を振動する。
 研究者たちは、この実験を個別のフォトンとフォトンペアの両方で行った。個別のフォトンよりも、フォトンペアの方が光と物質間の振動周波数が増すことが示された。この実験結果は、1960年代に初めて予言された理論と合致する。
 同グループの論文、Upon the Jayes-Cummings ladder of a quatum-dot/microcavity systemはオンライン版Nature Materialsに掲載されている。
 この実験結果は、情報通信技術の長期的予測を示すものであり、いずれこれらの粒子の相互作用に基づいた論理システム、つまり量子コンピューティングの構築が可能になる。これらの粒子は、従来の電子コンピュータと比べると移動速度が速く、エネルギー使用量も少ないので、より効率的な処理が可能になる。
 しかし、技術的なハードルはまだ極めて高い。Cardiffチームは、直径1.8μmの半導体チューブを用いた。それを約-263℃に保ち、フォトンは半導体チューブの中にわずか10psトラップされる。
 現在Neel Institute, CNRS GrenobleにいるDr Jackek Kasprzakとともにチームを率いた物理学/天文学学部のWolfgang Langbein教授は、「この相互作用により安定したフォトンの流れが生ずる。また、シングルフォトンロジックのベースにもなる。これは、ロジックとして機能するのに最小限のエネルギーしか必要としない。長期的には、コンピューティング、通信、暗号機器を含む多くの分野に関わってくる」とコメントしている。
 「この技術を実際のコンピューティング装置に用いることは低温特性の大幅な改善、理想的には室温への変換が必要となる。当座は、明確なコンセプトを持っているわけではないが、不可能ではない」と同氏は付け加えている。
 この実験で用いられた最高品質の半導体構造はドイツのWurzburg大学が開発した。

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